ズルズルと経営を行ってきた結果、にっちもさっちもいかなくなって破産の道を歩む事例をみることが時々ある。もっと早く対応策を打ち出していれば破産は避けられたという後悔を聞くこともある。

 

対応策が遅くなる要因として

 ①「何んとかなる」という安易な考え

 ②相談する場所・相談する相手がいない

 ③現在の自社の状況を正しく把握していない

 ④わかっているが行動に移せないでいる

 ⑤相談しても結論がでない

...などなどが考えられる。

 

経営が悪化しているという原因には、一般的に売上高・収益の低迷、経費の増大、借入金や未払金など負債の増大などが考えられる。そのことは、ほとんどの社長自らは認識しており、今までに、あるいは現在も対応策を打ってきたはずであるが、思うような方向に進まないという結果にある。

 

したがって、現状維持を続けている限り、良い方向に向かうのはほとんど困難であり、このことを社長自身が認識し、どう対応すべきかを真剣に考えていかねばならない。できれば再建・再生することであるが、廃業という道も検討しなければならず、早めの決断が重要であることが理解できよう。

 

私がすすめている廃業は、破産などの法的処理ではなく、個人事業者や企業自らの力で自主的に会社をやめることをいう。廃業は、個人事業者であるならば廃業届(個人の場合は所轄の税務署あて)を出せば終了するが、法人の場合は解散・清算の手続きが必要となる。また、休業(休眠)は税務署や自治体に届ければ済むが、5年以上放置すると法務局の職権で解散登記がなされる。

 

廃業手続きで問題となるのは、清算手続きを踏むという点、この手続きが借金や負債などで思うような処理ができない。また、債権放棄に伴う免除益、社長貸付の相続税の発生などで戸惑うこともある。これらを解決するためには時間がかかる場合が多く、そのためにも早期相談が解決の早道となるのは間違いない。今後、順次説明していきたいと思う。