娘は数日前に散髪して

ボーイッシュなベリーショート。


ネットを被って
「これで坊主になりやすくなった」と
満足げに笑っていた。
そう、娘は外出時に長髪のウィッグを被るのだ。

そのウィッグが、腰のあたりまである長髪。
少し長すぎるなとは思っていたけれど…。

出発30分前。
もうすぐ出発だな…
準備OK? と思っていたら…

娘が鏡の前でハサミを構え、
「肩より10センチくらいでいいよね」と言いながらウイッグの毛先を切り始めたのだびっくり

え⁈ 今⁈
もうすぐ出発というタイミングで⁈

そして案の定、後ろは見えないから不揃い。
段々畑みたいになったびっくり

仕方なく私がハサミを受け取り、慌てて切りそろえたら、見事なパッツン後ろ髪が誕生。

鏡をのぞいた娘、
「座敷わらしみたい」

私は、
「あとは自分でやってくれ」と
梳きバサミを手渡した。

娘は必死に毛先を梳き、なんとか“座敷わらし感”を薄めることに成功。

そうやってギリギリ間に合って、
娘はバタバタと上京していった。
夫が引率、私は留守番。

洗面所に散らばったウィッグの毛を掃除機で吸い込みながら、
「ほんとに最後の最後までやってくれるよな」と呆れたけれど、
いなくなるとポッカリ穴が空いたみたいに寂しくなった。

昼過ぎ、
「無事学校に着いて、画材買ったよ」と夫から連絡が来て、ようやく一安心。
座敷わらし騒動の朝が、もう遠い昔のことのように感じられた。