アンドリュー・ベイカーさんのお話
デビット:
ニュージーランド航空は
マオリ族の伝統文化に深い関心を持っていますが
それはなぜですか?
アンドリュー:
いい質問ですね。
ニュージーランド航空は、わが国を代表する航空会社です。
毎年1200万人ものお客様を
ニュージーランドから海外へ
海外からニュージーランドへと運んでいます。
私どもの飛行機の尾翼のマーク
これが会社のシンボルなのですが
実はマオリ族のシンボルなのです。
強さ、成長、バイタリティ、力
そしてシュモクザメを表しています。
弊社には、マオリ族の文化が深く根ざしているのです。
デビット:
若者の間で、マオリ族の文化から距離を置く傾向がある反面、
マオリ族の文化を復活させ
次世代へつなげようとする活動が盛んだという話を聞きました。
ニュージーランド航空では、マオリ族の文化を未来に伝えるために
どのような努力をされていますか?
アンドリュー:
従業員や乗客のみなさんに対して
ニュージーランド古来の伝統に触れる機会を
積極的に作る内容のプログラムを実施しています。
もっともシンプルなものは
「キューダ」とあいさつすること。
これは「あなたの健康を祈ります」という意味のマオリ語です。
また、わが社は多数の国内線路線を抱えているので
行き先の街にどのような歴史があるのかを
乗客の皆様にご提供したりもしています。
デビット:
ニュージーランドには、マオリ族以外にも
多くの民族の文化が併存していますが
なぜニュージーランド航空は、マオリ族の文化に着目したのですか?
アンドリュー:
マオリ族の文化は、ニュージーランド固有の文化です。
マオリ族は、ヨーロッパ人が来る前から、ここに住んでいました。
トンガ、ハワイ、サモアの文化の言語には
マオリと共通した部分が多くあります。
ニュージーランド固有の文化であるマオリ文化に着目するのは
ごく自然なことだと思います。
デビット:
日本の人々は、「HAKA」にとても興味を持っています。
「HAKA」について、教えていただけますか?
アンドリュー:
「HAKA」は、ニュージーランド固有のマオリ文化を表現するシンボルで
とても力強い踊りです。
「HA」は、息を意味し
「KA」は、火を意味します。
つまり「HAKA」は、息と炎の踊りなのです。
昔は、戦いを前に気持ちを高める意味がありましたが
今は、訪れた人を歓迎するために踊ることもあれば
偉業の達成を祝うときに踊ることもあります。
デビット:
人を歓迎する踊り、何かを祝うときの踊り、戦いの前の踊り・・・
振り付けはそれぞれ違うのですか?
アンドリュー:
違います。
「HAKA」とひと言にいっても、目的に応じて
いろいろなバリエーションがあるのです。
All Blacksの披露するHAKAは
誕生と死に伴う苦労を表現しています。
そして、生きる喜びも表現しています。
All Blacksは、試合の前に
こんなHAKAを踊っているのです。
デビット:
All Blacksが試合の前にHAKAを踊るとき
どこの時点で踊るのですか?
アンドリュー:
試合開始のホイッスル直前です。
国歌斉唱のあと、All Blacksのメンバーが
センターラインを隔てて、相手チームと向き合い
そしてHAKAが始まるのです。
対戦相手を怯えさせるんです。
デビット:
なぜ試合前にHAKAを踊るようになったのでしょうか?
アンドリュー:
まず、戦う前にテンションを上げて、気持ちを盛り上げる意味があります。
ラグビーも体がぶつかり合う激しいスポーツですから。
そして、大勢の選手同士が心を一つにしてゴールを目指す、という
チームワークを確認する上でも、効果があると思います。
HAKAには、チームをまとめあげる力があるのです。
ニュージーランド航空にも、オリジナルのHAKAがあるんですよ。
デビット:
そうなんですか!
ぜひ教えてください!
アンドリュー:
いいですよ。
では早速、HAKAの動きをやってみましょう。
アンドリュー:
ジョーズ!ジョーズ!
デビット:
あっ、日本語ですね!
なんかうまく表現できないのですが
とても気持ちが良くなってきました。
アンドリュー:
そうなんです。
HAKAを踊ると、とても元気になるんです。
デビット:
貴重な体験をさせていただきまして、ありがとうございました!

