2014年は負担増元年だ。4月には消費税率が5%から8%に上がり、年6・3兆円の負担が家計にのしかかる。社会保険料の値上げなども待っている。政府予算案や税制改正案には、収入の低い人への一時金などが盛り込まれたが、痛みを和らげるのは難しそうだ。
 4月以降の来年度は、家計の負担が大幅に増える。内閣府によると、消費税率を8%へ引き上げると、14年度の家計は年6・3兆円の負担増となる。また、過去の物価下落を反映して年金支給額が年8千億円減るほか、年金保険料などの負担が年5千億円増える。
 高校授業料無償化は、来年度の新入生から所得制限が課され、年収910万円以上の世帯は対象外になる。70~74歳の高齢者は医療費窓口負担が段階的に1割から2割に上がる。4月以降に新たに70歳になる人から対象だ。6月には、東日本大震災の復興予算をまかなう住民税増税も始まる。
 低所得者への支援は貧弱だ。住民税を支払っていない低所得者(約2400万人)への現金給付(1人1万円~1万5千円)や、子育て世帯への児童手当の増額がある。ただし、いずれも1回限りだ。
 実際の家庭の負担はどうなるのか。大和総研の是枝俊悟さんによると、夫婦と子ども2人の4人家族で年収が500万円の片働き世帯では、14年は児童手当が1人1万円(計2万円)増える。それでも、14年の生活に使えるお金(実質可処分所得)は前年より5万4800円減ってしまう。
 お年寄りの世帯の生活も苦しくなる。夫婦で240万円の年金を受け取る世帯では、14年には1人1万5千円(計3万円)の現金をもらえるが、実質可処分所得は前年より4万1800円減ってしまう。
 負担増はこれだけではない。15年1月から所得税の最高税率が今の40%から、課税所得が4千万円を超える人は45%に上がる。16年からは年収1200万円以上、17年からは年収1000万円以上の人の所得税が増税になる。対象者は172万人にのぼる。
 試算には、物価上昇や、電気代の値上がりなどは含まれていない。給料が上がらないと、負担感は重くなり、景気を冷やしてしまうことにもなりかねない。