生活保護を受けるという事は、

何も恥ずかしい事では無い。


何故なら『生きるため』だから。


その代わり、

失うモノも多々ある。


例えば、車。


今まで外出をする時は、

何も考えずに、

当たり前のように、

車のキーを手に取り、

駐車場に向かい、

車に乗って出掛ていた。


でも、今は違う。


事前にバスの時間を調べて、

徒歩でバス停に向かい、

バスが来たら目的地まで、

狭い空間の中で、

名前も顔も知らない赤の他人と一緒に時間を共にして、

目的地まで向かう。


なかなか慣れない。


というか苦手だ。


18歳で車の免許を取って、

自分の車を購入してからは、

仕事に行くのも、

遊びに行くのも、

常に車と一緒だった。


そんな自分にとって、

「生活保護を受けて生活する」という事は、

当初は、

悪魔と契約を交わすようなモノにさえ思えた。





そして、

眩しすぎる太陽の光を

日陰でしのぐ。








そうしながら

自分を再起動させる。


気持ちばかりが焦るけど、

今の自分の仕事は

『ゆっくりと静養・療養する事』

なのだから。


“花が咲かない冬の日は下へ下へと根を伸ばせ”


そう自分に言い聞かせるように。