三年生の夏の終わり。
例の教室に先生が進路希望調査にきた。
担任の先生から進路調査票を渡された。
最初は進学するつもりはなかった、中学を卒業したら、ゴミ収集若しくは廃品回収の仕事に就くつもりだった。
担任の先生や両親に説得され
私は仕方なく進学希望の欄にチェックして提出した。
私の能力で唯一行ける高校が、地元で不登校や家庭に問題を抱える生徒を受けいる県立の定時制高校だった。
もちろん、先生この定時制高校の推薦入学に応募するようにとアドバイスした。推薦入試には小論文なるものが必要であった。
小論文のテーマは将来就きたい職業だった。下書きを学校の会議室でひとり書かさせれたのをよく覚えている。作文すら書けない自分が小論文を書いたということにちょっと偉くなった気がした。
その当時は特になりたいものはなどかった。
毎日をただ家で過ごしいる自分には将来や大人等は別世界のもの思っていたのである。
そこで、
パッと思いついたのが、ドラマのキムタクが出演しているヒーローが好きだったので、検察官か弁護士だった。先生は「笑いながらならもっと勉強しないとな」「検察官は大学院を出ないとなれない凄い職業だぞ」といったのを今でも覚えている。
しかし、当時は新制度移行前だったので、大学院をでなくても小卒中卒でも司法試験に受かり検察庁に採用されさえすればなれた。
悩んだあげく、話しが広げ易い弁護士を将来就きたい職業として書いた。
社会経験が未熟だったため全能感に満ちあふれていた。
本来なら全日、定時制問わず進学すら危うい状況だった。そもそも、小学生より学力は劣っていたと思う。
そのような状況で将来の希望なんておこがましいにもほどがある。