ジャニーズのグループは、女性アイドルグループのももいろクローバーZのように、メンバーごとのイメージカラーが決まっているケースが多い。たとえば関ジャニ∞の場合は、2012年に公開された映画『エイトレンジャー』で見られるように、メンバーカラーがしっかりと定められ、それぞれのカラーでグッズ展開などもしている。いっぽうでSexy Zoneは、メンバーカラーはとくに無いとされながらも、佐藤勝利が赤、菊池風磨が紫の衣装をよく着るなど、ある程度決まったイメージがあるようだ。

 嵐もまた、時期によって多少変化があったものの、現在は櫻井翔が赤、相葉雅紀が緑、二宮和也が黄色、松本潤が紫、そして大野智が青と、それぞれのカラーが大体決まっている。

 嵐メンバーの色分けにはそれぞれどんな意味合いがあるのか。本稿では特に大野智の“青”について、ジャニーズの動向に詳しい芸能ライターの佐藤結衣氏に解説してもらった。



「大野智さんと同じ青色が割り振られたほかのジャニーズのメンバーには、関ジャニ∞であれば安田章大さん、Sexy Zoneであれば松島聡さん、Hey! Say! JUMPであれば伊野尾慧さんと、どちらかというと穏やかな印象のメンバーが多いです。大野さんがそうであるように、寡黙に仕事をこなす職人気質な面のあるメンバーが青色を割り振られるようです」

 いっぽうで、青色のメンバーはパフォーマンスにおいて高い能力を発揮するという。

「大野さんは嵐のメインボーカルを務めているだけではなく、ダンスの腕前もグループ随一で、時には振り付けも担当しています。技術面でグループを引っ張るのが、青色のメンバーの特徴といえるかもしれません。安田さんもスポーツ、作曲、ダンス、歌と器用にこなし、バンドスタイルで演奏する際はリードギターを務めています。松島さんが青を割り振られているのは、そうした役割を今後担っていってほしいという期待の表れなのかもしれません」

また、グループがメンバーカラーを設定することのメリットとデメリットについて、佐藤氏は以下のように続ける。



「メンバーカラーを設定すると、ファンは推しメンのカラーのグッズを身に付けるなどして、コンサートで意思表明ができますし、メンバーもまた自分のファンを見つけやすくなります。いわば、一種のコミュニケーションツールとして機能するのです。Sexy Zoneのコンサートでは、5色に変化するペンライトを使って、メンバーそれぞれの歌唱に合わせてファンが色を変える、という試みをしたこともあります。ただいっぽうで、色の持つイメージはとても強いので、たとえばメンバーが新しいキャラクターに開眼したときに、かつてのカラーが足かせになる場合もあります。それまでおちゃらけキャラだった人が急に真面目になったりすれば、色のイメージが強いだけに、ファンも困惑してしまうでしょう。だからこそ、ジャニーズのグループはメンバーカラーを明言せずに、なんとなくカラーが決まっている、というくらいに止めるケースもあるのでは」

 ジャニーズのグループを深く楽しむうえで、ひとつの指標となりそうなメンバーカラー。次週は櫻井翔の“赤”について、検証してみたい。