高倉健さんが亡くなった


十代の頃に見た健さん主演の映画“網走番外地”斬った張ったの義理人情、男とはこうあるべきと激しく感銘

二十歳の頃、今の嫁を北海道旅行と騙し、嫌がる中 半強制的に網走刑務所へあせる
網走番外地のテーマを歌いながら健さん気分で刑務所観光

その足で今度はこちらも名作“幸福の黄色いハンカチ”そのロケ地でもある夕張炭鉱へ、観光客用にたなびく黄色いハンカチの列を眺め  健さんの演技を完コピし健さん気分

勿論嫁は桃井かおり役…なんてやる訳もなく 遠巻きに冷めた目で眺められた

幸福の…その映画の中でのクライマックスシーン、健さんがハンカチを見て そして長い服役の間も待っていてくれた 倍賞千恵子さんの元へと、半信半疑で歩みより 久々の再会…

この数分間の感動のクライマックスシーンの間  健さんは殆ど喋らない、そのたたずまいと目と表情だけで 見ている者をスクリーンへと引き込み、そして涙を誘う


そして人生の最後も、人知れず 静かに幕を引く…これが高倉健なのである


健さんのような男になりたい、 多分日本男児たるもの 誰もが一度は少なからずとも憧れた事があるんじゃないだろうか

勿論自分もそう、どこか心の傍らで常に そうありたい!と思ってきた気がする


寡黙で威厳があり 『自分…不器用ですから』と、うつむき加減でボソッっと呟く

そんな男に憧れて早二十数年、それが今やどうだろう  

少しお喋りでご陽気 な片太り 、人々からは変態と呼ばれ社会からは逸脱

『自分…少し手先が器用なもんで♪♪』


高倉健  というよりも 堀内健か志村けん、もしくは大勝軒かアパッチ健という、気づけば高倉健とは全く正反対に着地しているという刹那汗

いいのだよ、心のどこかに 自分なりの高倉健をしっかりと持っていれば  それでいいのだよ


これでなんだか…昭和が終わった気がする、そして俺は いつになったら健さんのような  一人前の立派な男になれるのだろう








高倉健さんの御冥福を 心よりお祈り申し上げます。