1. アンチエイジングとは
アンチエイジングとは不老不死ではない。 ヒトには寿命があり、おそらく125歳程度であろう
日々健康増進を心がけ、QOLを向上し、その結果として健康長寿を目指す。
具体的には動脈硬化、骨粗鬆症、寝たきり、認知障害を予防する、癌を予防する、そして介護のいらない高齢者を創るこれがアンチエイジング医学の目標である。
日本抗加齢医学学会(http://www.anti-aging.gr.jp )
2. アンチエイジング医学の基本的な考え方
(ア) 老化の機序の解明と老化の制御法
動物実験レベルでは食餌(カロリー)摂取制限と適度な運動によって寿命を延ばすことが知られている。
その他、嗜好品については禁煙、適度なアルコール摂取は結果的に長寿に結びつく可能性が高い。
3. アンチエイジングの生物学的基盤
(ア) カロリー制限したアカゲザルで加齢性疾患の発症が抑制されている。
カロリー制限が細胞内の酸化ストレスを抑制することにより、病気の発症が抑制された可能性が示唆されている 長寿遺伝子であるSir2遺伝子は全身の細胞の老化プロセスを日々コントロールしている。
活性化因子NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)
フリーラジカル説と老化制御
活性酸素は非常の毒性の強い酵素種である 活性酸素の発生は生活習慣や環境因子に大きく左右されている。喫煙や過度のアルコール摂取、加工食品や食品の中に含まれる残留農薬などが体の中で活性酸素を圧制する要因となる。
また、過度の運動や睡眠不足も活性酸素の発生を増大させることが知られている。
4. ホルモンとアンチエイジング
はじめに
男性ではGH-IGF-1系、DHEA-S,テストステロンの加齢による漸減変動を認める。それぞれのホルモン補充がアンチエイジングの作用を持つのではないかと期待されている。
女性ではエストロゲン減少が閉経後女性の更年期障害のみならず肥満、糖尿病、動脈硬化症、骨粗鬆症に深く関わっていることはよく知られている。
DEHA
副腎皮質ホルモンである血中DHEA-Sは男性においてのみ長生きグループでは明らかに高い
GH
成長ホルモン(GH)は肝臓のIGF-1の賛成分泌を促す
GHの補充は筋力増強に伴う日常機能の向上は認めず、末梢性浮腫、関節痛などの副作用が出現するので、現時点では推奨されていない。
テストステロン
加齢と共に低下するが、加齢男性性腺機能低下症候群(LOH)は血中T低下によりもたらされる
終わりに
DHEAの投与は、それ自体の作用に加えて、エストロゲン、テストステロンに転換されて作用すると同時に、血中IGF-1濃度も上昇させることから複合補充療法といえるが今のところ効果は不明
5. 若々しさを保つために眼の若さを維持する
失明原因は加齢に伴う疾患
緑内障、糖尿病網膜症、網膜色素上皮変性、加齢黄斑変性、高度近視に伴う網膜脈絡膜萎縮とすべてが加齢と共に悪化していく疾患群である 紫外線と加齢眼疾患との関連は従来より指摘されている。
食べ物では野菜、魚類摂取によって発症率が低下する。
有害重金属(水銀、鉛)と眼疾患の関連が関心を呼んでいる。
眼によい食べ物を摂取し、不必要な重金属は排除することが重要である。
口腔から全身の老化を防ぐ
唾液は単なる水分ではなく、種々の成長因子、生理活性物質、抗菌物質、免疫グロブリンなどが含まれており、生態のホメオスタシス維持に重要である。
さらに、消化器作用、粘膜保護作用、中和作用、修復作用などを有している。
神経栄養因子(NGF)、上皮成長因子(EGF)が顎下腺から単離された。
ヒトは1日に1.5Lの唾液を嚥下している。
口腔ケアを行うことにより、口腔内の細菌叢を抑え、誤嚥性肺炎の予防効果がある。
歯周炎局所で産生されたTNF―αが、末梢に反映されインスリン抵抗性を惹起することや、歯周病治療により2型糖尿病の改善が促された口腔周囲の筋力の強化 顔面の筋肉を鍛えることは口腔の機能維持に重要である。
筋肉が小さく、脂肪が少ないため短期間で鍛えることが可能である。
楽しいから笑うという一方通行ではなく、笑う表情を作ることで楽しくなることが科学的に証明されつつある。
口腔周囲の筋力を意識してトレーニングすることにより人為的に幸福感が得られるという新たな口の役割も明らかになってきた。
美しい肌を保つ-アンチエイジングのための日々のスキンケアおよび美容医療について
紫外線から肌を守る
人間の体も紫外線を浴びることにより、錆びる現象が起きる 女性は排卵から次の生理までの間、つまり高温期と言われる期間はニキビや肌荒れが生じやすいので、日焼け、不摂生、暴飲暴食しては美しい肌は保てない
活性酸素も皮膚老化の原因
紫外線、放射線、ストレス、便秘、たばこ、排気ガス、アルコール、過度な運動、感染炎症などが活性酸素を増やす。シミ・シワの治療 シミを主訴に受診した患者さんの7%が日光角化症という前癌病変であった。
内服薬(ビタミンC,E,トラネキサム酸)、外用薬(ビタミンC、フラーレン、ハイドロキノン)、この治療だけでも、肝斑の場合は、治療1ヶ月で効果がみられることもある。
YAGレーザー治療もある
シワの予防として保湿もある
心肺機能低下を防ぐー心肺機能を維持するための身体活動についてー
はじめに
定期的に身体を動かす(有酸素運動と筋力トレーニングと両方)ことで健康的な加齢に好影響を及ぼす種々の効果が実証されている。
運動の目安は“中等度”の強度であれば1日合計30分、週5日以上、1週間で1000kcal程度 加齢によるエネルギー消費量の低下は活動量低下によるものが圧倒的に大きい
運動不足の方では少しでも行わないよりはずっといい。 開始前にまず、健康状態の指標をスクリーニングする
運動器の衰えを防ぐためにー健脚を保つ
老化は脚から老化防止のために日常心がけること
長寿の水・若返りの水―その効果的な水の飲み方―
長寿の水は「硬度の高い水」で「カルシウムを多く含み、弱アルカリ性の水」であった。
煮沸しない「生の雪解け水」が細胞を若々しく保つ、若返りの水であった
良い睡眠をとる
睡眠の質が悪いと炎症性サイトカインの産生量が多くなると報告されている。短時間の仮眠を取る 日中に眠気を感じる場合は30分以下の短い睡眠を取ることが有効である。
17時以降の仮眠は夜間の睡眠を悪化させるので逆効果である
意欲的な生活を送る
日中に活動的で意欲的な生活を送ることも重要である。
ストレスを上手に管理し、自分自身や人生の良い側面に注意を向けて楽観的な生活を送ることも重要
良好な対人関係を築く
エイジングの質を考える上で、対人関係は重要である。
対人関係療法では現在の対人関係に注目し、4つの問題領域である「悲哀」、「役割をめぐる不和」「役割の変化」「対人関係の欠如」のいずれかに該当するものを選んで治療焦点とし、戦略的な治療を進めていく
トピックス
スポーツで脳を健康に保つ
認知機能の改善に効果が確かめられているのは自転車こぎ、水泳などの負荷を持続的に行う運動である
老化によるもの忘れとアルツハイマー型初老期認知症
良いもの忘れ
加齢によるもの
病識あり
進行は緩徐
悪いもの忘れ
最近のことを思い出せない
病識がない 進行が速い
失見当識、作話、逆行性健忘などを伴う
2010年1月13日、塩野義製薬から新しいインフルエンザ治療薬「ラピアクタ」が発表されました。1回の点滴で、タミフル5日分と同じ治療効果があるという新薬のメリット・デメリットに迫ります。
