SONIC SEED

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黒い服を着た大人たちが、行進していた。確かその日はぼくの誕生日だった。
そんなことは我関せず。といった具合にただただ喜びに勝る強烈な悲愴感だけがそこに蔓延っていたと思う。
漠然としか覚えていないけど、確か、ぼくはその人たちと墓場まで行ったんだ。
そして帰り道のことなんて何一つ覚えていない。ただ、人が死んだことだけしかわからなかった。
僕の家には父親が居ない。どういった経緯で離婚したのかは当時5歳の僕には全く理解できなかったし。何か言われた記憶も全くない。
ただ気付いたら母方の実家で暮らすようになっていた。というだけだ。
そのせいか、僕は父方の祖父母と遊んだ記憶があまりない。近所の駄菓子屋に行っていた。とかそれくらいの記憶しかない。
同世代の友達は近所に住んでいたか分からないし、住んでいても小学校に上がれば二度と会うことのない友好関係を築き上げることを避けるために
父方の祖父母が引き離していただけかもしれないが。僕の記憶では同年代の子と遊んだ記憶はない。
祖母が死んだのは確か僕が小学生五年か。四年か。それくらいだったと思う。
死因は自殺だったらしい。昔からずっと死にたい。死にたい。という祖母だったらしい。
僕が直接的に聞いたわけではないので、祖母が死にたがっていたかどうかは分からないがそうらしい。

祖母が死んだ後、何回か父方の実家に行った気がする。

だけど記憶があまりにも漠然としすぎていて、夢だったか現実だったかいまいち分からない。

 

未だに人の死に実感が湧かないでいる。