上下に移動したり、
左右に移動したり。
暗闇に目が慣れると職員と市長は身を乗り出して灯りを見つめる。
ホタルのようにゆらゆら 飛んで いるのだ。
「あれじゃないですか、オーブ。」
運転手はハンドルを握る。
「オーブ?
昨日の心霊テレビのか。」
助手席
「オーブって見えないでしょ。」
市長
「じゃあ、ひ、ヒトダマ?」
運転手
「そういえば、ここは防空壕にもなってたな。
兵隊さんか工員さんか。
ナンマンダブ ナンマンダブ。」
助手席
「ええっ 幽霊!」
運転手
「こっちに来ますよ。ほら。」
市長がそれを指す。
ゆらゆら ゆらゆら
トラックに近づいている。