駅に市長が来た。
黒い公用車から降りて、新品の作業着にヘルメットを被る。
お付きの人も数名と記者が1人。
「市長、お疲れ様です。」
岡田
「どーもどーも、すいません、岡田さん。」
市長は岡田じいさんと両手で握手した。
「ティー リフォームのタケモトさん。
どうですか?」
市長とは名刺交換済みだ。
「昨日の報告書の通りで、水道などのライフラインは全滅です。
公衆トイレの活用と博物館にするまでにはコストがかさみます。」
タケモト
「やっぱりね。
壊す方向かな?」
市長
「ちょっと待って下さい!」
ノリ
「ノリ。
市長さんお願いします。この子の話を聞いてもらえますか?」
アキ
「副市長から聞いた見学の子だね。
伺いますよ。」
市長
「立ち話もなんなんで。」
岡田が待合室に通す。
タケモトが岡田が用意したバケツの雑巾でベンチを拭いた。
岡田の言う通り、尻の形えぐれて雑巾が波打つ。
「どうぞ。」
タケモト
「ありがとう。 おっ。」
市長は腰かけて、尻にジャストフィットしたベンチに驚く。
彼女たちは座らずに市長にプレゼンを始めた。