クーカーの怪談 十九話 『ドライブ』 後編 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

車に残った二人は、スペアタイヤを用意します。

荷台の下に細いスペアタイヤがあります。

しかし、この日の為に買った洋服を汚したくもないし、
せっかく手入れしたネイルも傷付けたくないんだなぁ。

「おっもーい。」

 「ネイル逝ったら泣くわ。」

「レンタカーの店にネイル代を請求しようね。」

やっとのことでタイヤを道路の上に出しました。

次はジャッキ。

「これ、どこにかけるか解んなーい。」

 「待って、説明書があるはず。」

ダッシュボードから説明書の本を見つけて読んでいると、



待望の車が来たんです。

それはスモークを貼ったセダンでした。


「すみませーん」

「止まってくださーい」

キィーと車が止まりました。

運転していた若い男性が
「パンク?」とたずねる。

「そうなんです、
手伝って、もらえたりしますか?」
遠回しに言うと

「いいよ。
大変だね。
おい。パンクだってよ。」
と後ろに言うと

スモークで見えなかったが、もう1人男性がいて、降りてきた。

セダンを端に寄せて、

1人がスペアタイヤを軽々持ち上げ、
もう1人は説明書も見ずに、ジャッキをかける場所を探してあて、

ジャッキをかます。

「離れてて。」
男性が言うと

「すみませーん」
「本当にありがとうございます」
とネイルをいじりながら礼を言った。

そこへ

「ねぇ、全然ダメ。ずーっと圏外なの。」

と霧の中から二人が現れた。

それを見た男性、
タイヤ交換を中止。

「ちょっと待ってて、」
男性は少し離れてヒソヒソ話をしている。

しばらくして、
「ごめん、知り合いのトラック呼んでくるから、待ってて」
と言われた。

「は、はいー。」
返事をするとセダンは行ってしまった。

「え、マジ?」
「逃げたんじゃね?」

30分位して、

セダンがトラックを連れてきました。

彼女達もホッとしましたよ。

ローダーという、車を乗せるトラックです。
トラックには別の男性が二人います。

これにレンタカーを載せて、
彼女達は荷台の上のレンタカーに乗ります。

トラックは発車、レンタカー屋に戻るんです。


「良かったね。」
「助かったー。でも温泉は中止ね。」

「ね、どうしたの?」

1人だけ、助手席の彼女は浮かない顔。

「本当に、レンタカー屋に連れていくのかしら?」

「え?」
「怖いこと言わないでよ。」

「だって、降りられないんだよ。」

両側の景色が流れています。

「セダンの彼、足首にイレズミあった。」
「ちょっとぉ。」




キィ。

トラックが止まる。








そして




レンタカー屋の前に着いていた。




レンタカーを下ろして
男性に礼を言うと、



男性は、
「礼なんかいいから。」
と言って、またトラックとセダンに乗って行ってしまった。



彼女達はレンタカー屋に入り、
タイヤの件でクレームを付けようとした。


「どうされました?お客様。」
受付のお姉さん。


「ちょっと!
あの車で、CDかけて、ノリノリで皆でリズムに乗って揺れていたら、パンクしたんですけどっ。」
彼女はパンクの原因はタイヤの点検ミスだ。と受付に詰め寄る。






するとお姉さんは

「パンクするでしょうね。」
と一言。


しかし、彼女たちは顔を見合わせると
これ以上は言わずに店を出た。






このあと


ぽっちゃり女子 四人

の旅は、バスで回ることになったんです。






おしまい。