「なぁ、ヤバいよ。」
「本当にコーチの兄弟か?」
「コーチと同じ顔だけど、全然優しくないぞ。」
「怖い、怖いよ。」
「逃げよう。」
『うん。』
「僕たち、どこに行くの。
おじさんと野球しようぜ!」
ニセセブン
「ベースボールしましょう。」
大男が子供たちを見下ろす。
≪ツカーン≫
工場から音がした。
「あの辺からだな。。」
ニセセブンは工場に目を凝らす。
「コーチ、助けて‼、おじさーん。」
ダイシ
「そこにいるブレイナーの二人。
隠れてないで出てこいよ。
野球、やろうぜ。」
ニセセブンが折れたバットを素振りする。
「あっ、やめて‼」ダイシ
ダイシは兵士に右腕の手首と肩を掴まれた。
右腕を伸ばされているのだ。
「この子は右利きだったね。
野球、できなくなっちゃうね。」
ニセセブンは素振りを止めない。
「ダイシを離せ、このヤロー。」
高学年の子がバットで兵士の肩を殴る。
≪バフ≫
「オウッ。 ヤッ」
兵士は片足でその子を蹴飛ばした。
「ひぃ、いでええぇ。」
うづくまる子供
「やめろ!卑怯者」
工場の二階から現れたのは
片腕のセブンだ。
『コーチィ!助けて。』
子供たち