音を立てずに階段をおりる。
俺が店内を見渡してから、フエさんを呼んだ。
厨房から作りおきのポテトサラダと飲み物を持って二階へ。
オール電化の厨房。
火が使えない。
お湯も沸かせないとは。
三人で黙々と食う。
突然、窓に光が当たった。
口を止める。
ゆっくり伏せた。
俺はラジオを消した。
キャンプセットのミニカンテラの明かりがまずかったか。
もしかしたら、
窓ガラスに俺たちの影絵が写っていたかもしれない。
光はゆっくり進んでいた。
黙って見送る。
5分おいて、窓から顔を出した。
あの光は十数件先の窓を照らしている。
光は空中から出ていた。
まるでUFOのようだ。
もちろんUFOではなく、偵察用の小型飛行機だ。
オートパイロットだろう、交差点で直角に曲がって行った。
ああ、ポテトサラダの味がしないこと。