考えてみれば、敵に変装するのが一番安全だ。
俺も迷彩服を探そう。
暗い店内を見渡す。
広い店ではない。
しかし、店の体積を越えるくらいに品物がある。
ここから何かを探し出すとなると愕然とする。
テーマ分けもジャンル分けもされてないからだ。
宝探しの感じが楽しいのだろうが、目当ての物が全く目に入ってこない。
余計な情報ばかりだ。
ケトル、伊勢エビの人形、地球儀、ハンモック、おでんなべ、スイカのボール、ピラミッド
迷彩服のありか
を彼女に聞いてみたが、
どこかで見たけど、売れたかもしれない
と言われた。
本当に宝探しになりそうだ。
これは、軍隊のヘルメットか?
クソッ…亀のオモチャだ!!
あきれて天井を見上げる。
「仕方ない、それで行こう」
独り言がもれた。
黒い作業服と黒いゴム長靴、黒いキャップに黒い手袋
夜を待って闇に紛れよう。
天井のカラスの剥製にヒントを得た。