橋 16 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

夕食 お風呂を済ませる

河川敷に散歩する人もいなくなったろう。

厚着をして外に出る。

川に歩く。

土手を越えて小屋へ歩くが、直接は行かない。

土手沿いから橋桁に隠れながら近づいた。

他に人影は無い。

小屋のドアに並ぶ。

「夜分すみませぇん」
母が中の小さな灯りに揺れる影に言う。

「どちらさん?」

「僕だよアンデス。」

「私をアンデスと呼ぶのは近所の子だね。」

「あっコラッ、
ごめんなさい。
お名前を知らなかったので。」
「いいんですよ。
今、開けますよ。」

ビニールシートの人影が小さく、濃くなる
と隣のドアが開いた。

母は何かを覚悟してマスクをつける。
そしてタカを一歩下げた。


綿の出たハンテンにニットの帽子、顔は浅黒く、大量の顎ヒゲが口と一瞬に動いていた。
「やぁ。僕か。
元気になったなぁ」

「あのー。
息子を助けて頂きありがとうございました。」

お礼のコロッケを差し出した。

「アンデ…おじさんがいなかったら死んでたよ。
ありがとうございました。」
タカだけは目を見て話す。


「お礼なんて困ります。」
アンデスはコロッケを受け取らない。

「アツアツだよ。
早く食べて。」
タカはアルミホイルのコロッケをアンデスの手へ。

「お母さん。僕。

申し訳ないっ」

アンデスは崩れながら膝をつくと土下座をした。

「あっちょっと。え?」
「どしたの?アンデスぅ」

「もぅしわけ、ありませんでしたっ」

ニット僕を掴み取って土下座を続ける老人