u.g 074 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「なんだ。ここは?」
「ゲーム無いじゃん」

「真っ白のマネキンばっか。キモチワルっ」

確かに、奇妙な空間だ。

広い部屋

天井が無く、ずっと吹き抜けというか。
井戸の底のような場所だ。

白いマネキンが何十体も立っていた。

中心に白い丘があり、光はその裾から出ていた。

「公園みたい」
「これは滑り台だな」

子供たちが丘に登って、上から滑ってみる。

表面はツルツルで遊具としては楽しい。

三往復したあとに丘の頂上に寝そべってみた。

「なぁ。この穴は地上につながっているのかなぁ?」
中村

「だったら雨が入ってくるね」
大野

「地上、どうなっちまったんだ。
人類滅亡だって、信じられないよね。」
森田


「なぁ。」
中村

「あのさ」
森田


「もしかして、アイツのことを考えてる?」
大野


「まぁね」
中村

「アイツは、死ぬわけない。」森田


「うん、滅亡だってウソだ。
いつか地上に帰れる。」
中村

「俺、やっぱり…」
大野

「みんなそうさ。
山と空が見たい。」
森田

「そしてアイツの顔も」
大野

「うん。」
中村


《キュルキュルキュル》

丘が動いた。

「ぅわー」
滑り落ちる三人