1話{選ばれし者たち}3:明石 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

ベッドの上
大の字で寝る男

明石 泰蔵である。
(あかしたいぞう)

「もう、だめだ。
  俺には、無理だ。」

寝言のようだ。

≪ドタン≫
 ベッドから落ちる明石。
さっきまで溺れる夢を見ていた。

「うぅ。…夢か。」


起き上がり、サイドテーブルの水を一杯飲んで落ち着きを取り戻す。

ここは、客船モーゼ号の客室の中。


《ドゴォォオ》

突然、轟音と衝撃。

船が揺れ、サイドテーブルが吹っ飛んだ。


「おおっ、なにごとだ!」
明石は廊下に飛び出した。


『きゃーー』
  『助けてぇ』
悲鳴を上げ、廊下を通り過ぎる人々。





明石は正義感が強く、海上自衛隊に入隊していた。

海上での救助に出場したが、失敗し自分が助けられることに。

彼は、そのショックで除隊した。

今、彼は故郷に帰る船にいた。