落ち目の舞台プロデューサーマックスと、ちょっとというかかなり変わっていて見るからに気弱な会計士レオ。

レオがマックスの事務所で帳簿をチェックしているとショービジネスのある仕組に気がつく。

投資家から資金を募って作品を作るのだが、仮にその作品が失敗してしまってもお金の返済の必要は無い。むしろ不評ですぐ止めてしまってもその制作費を持ち逃げする方が儲かったりする。

二人は手を組んで、究極のペテンを考える。

制作費以上の出資金を集めながら、わずか一夜で講演中止になるような最低最悪の作品作りだ。そして余ったお金を持ち逃げするというもの。

彼らの大コケ間違いなしの作品とはヒトラーを賞賛する駄作中の駄作と言われていた「ヒットラーの春」というミュージカルだ。最低最悪のシナリオに、最低最悪のスタッフ。

しかし、意外な事にそのショーは大ヒットしてしまう。

ところが出資者に配当を払う事は出来ずに結果マックスは逮捕されてしまう。

一方、レオはマックスの事務所に自分を売り込みに来た女性と一緒に逃げてしまう。。。


この作品は、アメリカが誇る喜劇王メル・ブルックスが1968年のアカデミー賞を受賞した映画を基にした 新作ミュージカルだ。

シカゴ郊外のMarriott theaterというこじんまりとした劇場で手を伸ばすと届きそうな距離感で見た本場のミュージカルは、内容はコメディだが、歌も踊りも素晴らしく、ちょっとした恋とホロッとさせるエンディングがスパイスされ迫力満点で非常に楽しめた作品だった。


Summit開始2日後疲れと睡魔がピークにと達している状況の中、「出来れば部屋に戻って眠りたい。」という欲望を振り払ってStats社の“Please feel and touch an American culture!”の好意に甘えた。

隣ではその日の夕方に着いたばかりの星川君のいびきを聞きながら眠たかった事も忘れて夢中でオフザブロードウェイの夜を楽しんだ。

アメリカに来るたびにそのエンターテイメントの裾野の広さと奥行きの深さには驚かされる。