女性の教育に関しては、江戸時代中期くらいから

女性関係の書籍が発行されて、教育の重要性が

訴えられるようになった。

手本とされたのが、「女式目」で、これは、

７才からの読み書きや言葉遣い、

１０歳からの裁縫や行儀作法、１０歳以降は、

外出させず母親による家事を教えることが

励行された。

女子は『女大学（おんなだいがく）『女今川（おんないまがわ）

などで儒教に則った風習や考え方などを学びますが、

和歌、琴、茶道、生け花、裁縫などを教える寺子屋もあったという。

中には古今和歌集』の和歌、『源氏物語』など古典の物語を

テキストに使う女師匠もいました。
その理由は、『源氏物語』などを読むことは、

特に女子の教養の一つでもあった。

往来物にもしばしば登場しますが、ストーリーそのものよりも

巻名、巻名に結びつく和歌、源氏香、物語の成立事情、

紫式部の伝記といった『源氏物語』にまつわる知識を

取り上げることが多かったようです。
何よりも彼女たちを手習いに夢中にさせたのは、

『源氏物語』や『伊勢物語』などの華麗な恋の世界です。

ヒロインの恋の行方に夢中になり、そんな気持ちから、

がんばって古典を学ぶ女子もいたのだとか。

旗本婦人の井関隆子の文章は、まるで「源氏物語」

そのものであり、源氏物語が武家夫人の必修と

されていたのが分かるほど美しい文章を書いてます。

そういえば、高倉健さんの御先祖の小田宅子もそうでした。

源氏物語の影響を受けたのか庶民でありながら

和歌に傾倒し旅日記の中でも毎日のように歌を詠ってる

寺子屋に通っていたのは女児よりも男児が多いものの、

江戸の神田・日本橋・浅草などの町人が多い地域では、

寺子の数は男女の割合がほぼ同数だったそうです。

師匠も、全国的に見れば男性が圧倒的に多いが、

江戸市中で町人の多い地域では女性の師匠も多く、

3人に一人が女性の師匠であったのだとか。
親たちは、商家や武家へ奉公ができる教養や行儀作法を

身につけさせることを期待して、娘を女性の師匠の元に通わせます。

武家奉公をしたという女子のキャリアは、

結婚のための箔をつけるだけではなく、

寺子屋の師匠として自立して生きるためにも役立っだった。

寺小屋からの帰り

寺子屋で教科書としたのは「女今川」「女大学」

「百人一首」でした。

百人一首は、各家庭でやることが多く自然に覚えた。

１０歳上の女子の正月の遊びは、これであったと。

「江戸絵本風俗往来」では記されている。

「今川は父　百人一首は母教え」

女今川

道徳の本です

物の本では、「百人一首を１回読めば煎餅を

１枚もらえたので、４歳の女子が、読み終えても、

もう１回とせがむ場面がある。

百人一首は、慶喜家でも孫娘たちがよくやっていて

正月と云わず、始終やってましたと本にありました。

[いざ、戦わん」といった緊迫したものでしたとある。

喜佐子姉妹が高松宮邸に呼ばれていった時も、

宮様と一緒に遊んでましたね。

江戸の子供４－１