７月は七夕が有り、寺子屋でも七夕も重要な行事と

なっていた。

「東都歳時記」によると、７月７日については

「今夜貴賤供物連ねて二星に供し、詩歌を捧ぐ。

家々冷素麺を餐す」

素麺はよく食べられて、江戸城でも御膳には公式行事の

御膳には素麺が載ってます。

数日前より、幼学筆学の師は七夕の詩歌を

手本にして習わしめ、七夕を立つる色紙に

書きて上げる時は、筆道の上達するなど

申し伝えるなり」とある。

七夕の色紙は、古くは梶の葉に書いたが、

江戸の頃には色紙に書いた。

「天の川　四，五枚混じる御真筆」

師匠が書いた手本のこと。

普通では７時半から午後の３時までの昼食を

はさむとかなりの長時間になる。

夏は、６時から昼まで。

但し、午後の授業を受ける子は少ない。

半分近く減る。

理由は、家事手伝いとか、音曲などの稽古事が理由。

別に、自由に早退は可能なので差し支えは無い。

「引け８つにどっと立つのは手習い子」

お八つは、焼き芋を買う事もあったようで、「守貞謾稿」によれば、

上方では蒸し芋が多く、関東では焼き芋が多いとある。

江戸では、巡り売る者が無く、反対に上方では

「ほっこり、ほっこり」と声をかけながら売る。

江戸は値段も安く売ってる店も数えきれないほどあるという。

女性の絶大な人気を得て無くてならないものになり、

１０文出せば子供を泣き止ませ、書生の腹を塞ぎ、

女性を黙らせた。

時代は変わりますが、

昭和天皇は焼き芋が大変好きであったそうです。

或る時、大膳頭の秋山から出来たものを

持っていくように命じられ、

その時、絶対中を見ないようにと言われました。

でも、見るなというと観たいのが人情です、

すると、皮の付いた焼き芋があったのです。

これは剥くのを忘れたのだと必死になって

皮を剥いて差し出しましたら、

お隣に居たら、陛下が「美味しくない」

という声が聞こえた。

実は、皮が付いたのがお好きだったのです。

前回は、皮を付けて怒られ、

今回は皮を剥いて叱られたのです。

江戸の子供３－５