上級武士の祝言を再現する
1,父母に暇乞い
嫁は白装束を身につけて暇乞いをする。
この時に、式三献、雑煮、三献、三々九度の盃をする。
守り袋を襟にかけて輿に乗った
2花嫁行列出立の門火
夕暮れに花嫁行列が出立する時、門外に篝火をたく
輿かきの人夫は、烏帽子に十徳、白帯。
嫁の輿の中には雌雄一対の犬張り子の箱2つが置かれた
犬は多産であり安産でもあるので縁起ものです。
2千石級の旗本の家の養子縁組の持参金の実情。
一方は夏目家で三河以来の旧家です。
夏目左近将監信明は天保9年(1848)小姓頭取から
将軍の側に仕え絶大な権限を持ったという御側衆に
昇進、役高2千石でした。
子の政養は文政2年生まれ(1819)、家格としては
夏目家が上です。
一方の三島家も又古くから徳川家に仕えた旧家である。
1300石の家だった。
ところがこの家は11代家斉の頃に役目を分け合って免職
された家だった。
三島家としては、今勢いのある夏目家と婚姻を結び
その力を借りて名を挽回したいところでしたので
敢えて格上の夏目家との婚姻を希望した。
当初、夏目家は婚姻を断った。
しかし、気が変ったのか子の政養を格下の家の養子に
出す事とした。
息子の年齢は30才なので初婚とは思えない。
訳有っての事でしょう
しかし、条件を付けた
1.配偶者(嫁)は、養父・政堅の庶出女子(側室の産んだ子)
の名前は機女である
1。後室(養母)の姪に養女にしない事の手当として50両払う。
1.後室本人には土産品代として100両払う。
1.養父・政堅の本葬費用として50両払う。(話の途中で亡くなった)
1.相続時の諸費用として100両払う。
1.山鹿家兄弟(養子先の親類)の邸ないし住居の
新築代として100両支給する
合計400両だが、これは養子に出す夏目家がらの土産金である。
夏目家が裕福であったのは間違えない。
之も御側衆という役得がある役職であったからでしょう。
一子相続でしかも長男が優遇され、次男はスペアとして
あくまでも長男のリザーブです。
万一の事があれば後継者の幸運もあるが、それ以下の
子供らは悲惨な状況になり、捨て鉢になって生活も
荒れてしまうケースも多い。