にぎやかな観光地もいいけれど、たまには「静かな街」に身を置きたくなる時がある。
そんな気分の中、選んだのは富山行きの夜行バス。東京から約7時間、時間をかけて移動する中で見えてきたもの、感じたもの。今回はその“静けさの中に光る旅”を綴ります。
新宿発22:50。富山行きの「北陸ドリーム号」に乗車
今回の旅のスタートは、夜10時過ぎのバスタ新宿。予約していたのはJRバス関東と西日本JRバスが共同運行する北陸ドリーム富山・金沢号。
3列独立シートのプレミアムタイプを選び、乗車料金は約6,000円。それでも新幹線より半額以下。財布にも優しい選択です。
バスは静かに首都高速を抜け、関越道を経て北陸道へ。途中、上信越の山々を越える中で、窓の外には小さな雪の粒がちらつきはじめ、旅情が一気に高まります。
朝6時過ぎ、富山駅に到着。白銀の世界が迎えてくれた
目が覚めると、バスはすでに富山駅に滑り込む直前。
車窓から見えたのは、雪をかぶった立山連峰。その静謐さに、思わず息を飲みました。
バスを降りると、冷たい空気と共に、ピンと張り詰めた朝の富山が広がっていました。駅の待合スペースには、早朝から地元の人たちが新聞を読んでいたり、静かにコーヒーを飲んでいたり。この“生活の空気”に触れるのが、早朝到着バス旅の特権です。
富岩運河環水公園で、静けさと絶景を独り占め
まず向かったのは、富山駅から徒歩圏の富岩運河環水公園(ふがんうんがかんすいこうえん)。ここは「世界一美しいスターバックス」があることで一躍有名になったスポットですが、朝の時間は観光客もまばら。
川面に映る逆さ立山、モダンな橋、そして凛とした空気。コーヒー片手にベンチに座り、何も考えずにぼーっと景色を眺める時間は、まさに心の浄化。
昼は「白えび天丼」と「ますのすし」!富山グルメに感動
昼前には市電に乗って「岩瀬エリア」へ。歴史的な街並みを歩いたあと、立ち寄ったお店で注文したのが白えびのかき揚げ天丼。
サクサクの衣に包まれた白えびの甘さは格別で、一口ごとに“海の静けさ”が口の中に広がります。
お土産には「源」のますのすしを購入。しっかりした味付けと、笹に包まれた美しい姿は、旅の余韻にもぴったり。
帰りは金沢経由で、バス&鉄道のハイブリッド旅
帰路は少し贅沢して、富山から金沢まで新幹線、そこから夜行バスで東京へ。
富山→金沢間はたった20分ほどだけれど、見える景色も街の空気もがらりと変わるのが面白い。そして金沢からの夜行バス「ドリーム金沢号」は、再び“深夜の静けさ”の中へ。