問題は長い歳月を経て深く複雑に絡み合ってしまっているのかもしれない。
些細な事が発端であったにもかかわらず。
「...だから、人の話を最後まで聞いてから発言してくれ! 中途で話の腰を折られると不愉快だ。」
「わかった。じゃあ、続きは?」
一瞬躊躇したぼくは、
「なので、そう思うのである。」と答えると彼女は逆上した。
「さっきから、あなたの話を聞いていて、あなたの感想とか主張とかを聞いてて分かってるわよ。話しには流れってものがあるのよ、語尾の一字一句まで待ってられないのよ、...」と取りつく島もないほどまくしたてられた。
「いや、いや、そうじゃない。『そう思うのであ...』と『そう思うのである。』ではこちらの主張は通じていているかも知れないが、言い切った満足感が違う。」と言うと、
「なんなのそれ、結局あなたは私となんか話なんかしたくないんでしょ!」と、そんなこと一言も言ってないのに、それ以来、二週間も口をきいてくれない。
一つ屋根の下、重く冷たい空気が漂う中、さらに寒波までここ10日間続くらしい。