事情があって4月20日から2週間ほど日本に帰国する事に決まった。猫を飼っているので、ある人に家の留守を頼んだ。散らかった部屋をそのままで留守を任せるのは申し訳ないので、片付けていて写真を整理していたら見つけた。

なんと18年前の写真である。

 

Paper Moon 2005)

 

夜アテネを出港した船が翌早朝イラクリオン港に着いて、ツーリスト・オフィス(観光案内所)が開くまで、そこの地理を把握しようと苦戦している時に妻に写されたんだろう。

 

今では考えられないような無謀な旅行をしていた。

 

世間は知らないけど、スマートフォンはおろか携帯電話の存在すら知らなくパソコンもなくホテルも事前に予約もしていない状況で、ガイドブックなんかも父が使った1960年代ものを持参して(老舗の高級ホテルなんかは残っていたかもしれないが、さすがに安宿はこのガイドブックでは無理だった。)、英語も話せないのに、まあ大丈夫だろとたかをくくっていた。

 

「スリーパーソンディスナイト、オーケイ、プリーズ」とか「ディスワンナイトマネー? ザッツエクスペンシブ!」(翻訳すると「3人、一晩。いいだろ。お願い。」「一晩この金額? 高すぎ!」)とか旅の恥はかき捨てとか思って平気で言っていた。

 

本当は恥ずかしかったけど。

 
この写真から、妻の微かな嘲笑を感じるのはぼくの被害妄想だろうか。