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氷点下になって、日々気温は益々下がり、昨日は-5℃。
そりゃ、10年前のデータに比べるとそんなに低くはないけど、-10℃も-5℃も寒いと言うことには変わりがなく、ぼくの生活パターンに大きな違いはない。
歳をとるにつれ人は猫に近づく。断言できないけど、きっとそう思う。
トイレに行くときと食事をするとき以外は、大人しく、いわゆる怠けて、カナッペに横たわり足先をストーブの方に投げ出しジッと目をつぶっている。
午前4時、足りなくなった薪を取りに外に出るといつの間にか降りだした雪が薄っらと庭を覆っていた。初雪は今日12月14日水曜であった。
さっさと用事を済ませ、体に降りかかった粉雪を払い、珈琲を沸かし、またカナッペに横たわりこうやってボーッとしながらスマホで文章を入力している。
カナッペの脇のテーブルの上に2冊の本が置かれている。置かれたその本をなにげなしに手に取ってみた。
パトリック・モディアノの「L'Horizon」とホイジンガの「中世の秋」であった。妻の書であった、と言うか彼女が図書館で借りてきたものであった。
「ああ、時々あらすじと彼女の感想を聞かされている本だな。」
いつも上の空で聞いているから詳細をもう覚えていない。復習と予習を兼ねてちょっと読んでみようかとも思ったのだけども、いまはまだその勇気が起こらなかった。
丁寧に、そして正確に本をもとの場所に戻す。いじったことが発覚するとぼくの感想を求められかねないからであった。
ストーブの炎はだいぶ大きくなって、足の裏を火照らせる位の火力を増してきた。この暖かさは、本当にありがたいと思う。夜のこの暗さは本来の暗さで、朝のこの冷え込みも当たり前の事なんだろうと思う。
日の出までまだしばらく時間がある。日の出ても何をする当てもなし、ただ暗い時間を長く過ごすと、その時を待つ感情が自然と湧いてきていた。