奥の畑に行く道筋に桜の大木がそびえ立っている。
「桜の木は剪定しないモンだ。」と言う故アンリーさんの教えを忠実に守った結果、樹齢3000年の縄文杉の様なぶっ太さになってしまっている。天には5〜6メートルはあろうかというほどの高さである。植えたのはせいぜい25年ほど前なのに。
そして毎年さくらんぼが実る。ただ、手の届かないすごく高い所になるものだから、最後に食べたのはいつの事だっただろう、大体毎年鳥の食いかけが落ちてきてはいるけど、人間様のプライドが邪魔して、ここ10年口に入れた記憶がない。憎き「クロウタドリ」と横目に睨みつけていた。
今年の春は好天に恵まれ手の届く枝にも沢山実をつけていて、また雨一つ降らなかったおかげで実も割れていなく良質なさくらんぼができている。農作業の行き帰りに枝からもいで食べている。食べてみてはいるけれど、まだ熟していないのか「さくらんぼ」って見かけほどおいしいものじゃなっかたかも、的な記憶が蘇って、そう言えばあえて好んで買わなかったな。