「雨ね。」

 

「雨だな。」

 

「憂鬱ね。」

 

「そうだな、なんだか何をするにも億劫だな。」

 

「午後3時…」

 

「まだ、そんな時間か...

昼なのに暗いな...

お茶をいれるけど...」

 

「飲む。」

 

「甘いもん、なにもないよ。」

 

「いい。」

 

 

  ガラス窓越しに外の様子を伺う。雨足が止むのを見計らって庭に出る。

  畑の大根に花。

 


「花を付けたらもう味は落ちているかも。」

 

「そうなのか? じゃあ今日引っこ抜くか。根は地下にちゃんと延びているのかな?   」

 

「今晩、大根食べたくないな。」

 

「じゃあ、明日にしよう。」

 

「美味しいふろふき大根食べたいな。」

 

「あした作るよ。鯛のお頭と骨があるからそれで出汁を取るよ。」

 

「…今晩は?」
 

 

 午後3時45分。

 いや、それはまだ早いし決めていない。