薬屋です。

去年の夏の日付で残っていたブログ。


お前が自由にしてやった野郎は図した顔して

自由謳歌万歳でラッパ吹いてたよ。

もっと邪魔してればよかったんだよ、おまえは。

タカちゃんの誕生日。


石の肩に手を置いたら帰れなくなったと

お墓参りに行ったヒデちゃんから電話がきた。


「亡くなる少し前に心配になって。

声を掛けたら“心配は支配だ”って云われて

喧嘩になった。

対等な友人として信頼や尊重の手前に

心配を口にしたのは間違いだった。」

ヒデちゃんの声は少し掠れていた。


間違いだとは思わないけど

タカちゃんの気持ちも少し分かる気がする。

自分に置き換えれば心配するのは

信頼するよりも尊重するよりも簡単だからね。

心配されるたびに

まともじゃない自分が劣っている未熟な者だと

知らされていくようで素直に受け取れなかった。


毎年誕生日おめでとうメール送りあっていて。

飲みに行ったり、麻雀したり

朝までドライブしたり。

誕生日の思い出は沢山ある。


あの年のタカちゃんの誕生日は

折り返しの電話が来た。


あの人がタカちゃんに

「やっと自由の身になった。」と

ワタシとの事を話したと聞いた。


「もう少しいい女だと思ってた。何してんの?」

そうタカちゃんに云われて

愕然としたのを覚えている。


嫌な思いを沢山させたし

ワタシの駄目なところも沢山みせた。

愛想を尽かされても納得しかないけど。


自覚なくあの人の自由を奪っていたことに

愕然したし失望した。


あの人の思いのままに、心を

それがワタシにはつらい事でも

大切に大事にしてきたつもりでいました。

独り善がりだとしても

そうしてきたつもりでした。


カズさんのことや女として不完全な身体のこと

ワタシの事情にあの人を巻き込まないように

そのことであの人の道を塞がないように

してきたつもりが。

男と女は違う時間軸が流れていて。

仕事や音楽や時間やお金を奪いたかったわけじゃない。

重なる時間があればいいなと思っていただけ。


でも。ワタシはあの人の自由を奪っていた。

何がではなく、ワタシという存在が。


唯一の共通の友人に伝えた言葉が

ワタシに伝わることくらい分かっていたと思う。


一人で居るから自由だとか

誰かと居るから自由が奪われるとかではなく。

人は自由であるべきだと思う。


一緒に居ると自然で居られる

平穏で自由に振る舞える。

そんな時間が流れるのは愛が在るからだと思う。

愛されることで得られる安心感に自由は在る。


息苦しさや不満や不信をワタシに感じていたなら

そりゃあ自由なんて感じられないよね。


「自分にはいらないもの」が見つかって

あの人は人生の自由を取り戻せたのだと思う。 


あの人が「いらない。」の言葉を選んだ意味が

分かった日なのかな。


「掛かってくる電話待ってる人居るみたいだから

もう自由なんじゃない?」

タカちゃんに伝えたら

「じゃあ邪魔しねえようにしねえと」と笑ってた。

「しないよ。」と答えけど

タカちゃんが亡くなった時、電話しちゃったよ。

「話したくないから電話しなかった。」って

あの人に云われちゃったよ。

邪魔しちゃったよ。


ヒデちゃん泣いてたよ。

夢でいいから会いに行ってあげて。

山賊の唄聴きたいよ。


タカちゃんは今、自由?