薬屋です。

去年の誕生日の日付で下書きに残っていたブログ。

酔っぱらい花屋さんから

フライングで誕生日のお花を頂いたことがある。

しまったぁって顔の後にすまし顔で

誤魔化した酔っぱらい花屋さんを思い出して

ふふふって笑っちゃった。


あの頃のワタシは鬱が進んで

トラウマの出現に怯えていたし

不妊治療では得るものがないまま

失っていく音ばかり聞いていた。


今になればとっくに折れていたと分かるけど。

あの頃は、澱みで心が濁ってきて

どこかでポキッと折れる瞬間が

訪れるのを恐れていた。


澱みを流したくて

夜な夜な歩いて歩いて。


隣りの市まで歩いて歩けなくなって。

酔っぱらい花屋さんに電話したら

汗だくになって自転車漕いで迎えに来てくれた。

汗で七三になった前髪に笑って。

思い出してふふふって笑っちゃった。


帰り道、酔っぱらい花屋さんが

自分が冒した間違いの話をしてくれた。

ワタシが犯したのは罪だけど。

「俺はこの方法で上手くいかなかった。

だからあなたは俺の真似をしてはいけない」

と話してくれた。

こうしたほうがいいとかこう考えろとかばかり周りから云われていたあの頃。

成功の方法は沢山あるけど

過ちや失敗の方法は限られていると

気付かせてくれた。


生きていると心が濁ってしまうこともあるけれど

同調せず、責めることもせず、叱ることもせずに、

見捨てず。

いつも少し微笑んでいるような気配で
「こっちの方がきれいな景色だよ」
と世界をおしえてくれる人だった。


優しくて素敵な人でした。


人が自分のために使ってくれた時間は

その人の命であることを

酔っぱらい花屋さんは教えてくれたし

忘れていない。


生きていて。

いつかとか

またとか

今すぐとか

会いたい人がいるって幸せだと思う。

ワタシは本当に幸せな人間だったなと思う。


酔っぱらい花屋さんに会いたいな。