薬屋です。Tです。
今日は3月27日。
ワタシさんは「終わりの始まりの日」とも
「あの日からワタシは抜けられないトンネルに居る」とも言った。

入院していた病院を抜け出して
川に花を流しに行った帰りに彼女は倒れて。
「今日は病室で天井を眺めたくない」と泣いていた。
何も欲しがらないし、望みを口にしない彼女が
「押入を改造して本を沢山置けるヌックにしたい。
昭和ガラスのステンドグラスのライトを
枕元に2つ並べたい。」
といつかやりたいとずっと考えていたことを
病室で話してくれた時、俺は嬉しかった。
何故こんなに自分が喜んでいるのか
理解出来ないほど嬉しかった。

「今更涙も出ないし寂しさもないけど
何ひとつ残っていない空っぽのくせに重いんだ」
乾いた笑い声で話してくれた彼女を
俺はねじ伏せてしまったのかもしれない。

林の間から月を見つけた時に「満月だよ」と
初めて満月見つけたみたいな顔で笑ってた彼女を思い出した。
公園って何処だ?