カズさん。

長い間、映画1本観れなくなっていたけど

やっとスラダン観てきたよ。


写真一枚残して連載が終わった時に

コートに置いてきぼりされたみたいになって

「続きを見たい」とよく二人で話してたでしょ?


バスケ馬鹿達があの夏のコートに居ました。

何百回と読んだ山王戦でバスケしてた。

そして、もうひとつのストーリーと

「あの夏の先」がありました。

暑い夏の日に観に行けてよかった。


続きを待っていた長い時間の中で

いつからかワタシは

最高の夏がぎゅうぎゅうに詰まった

あの写真にバスケ馬鹿達を閉じ込めて

終わった物語として

抱えて眺めていたんだなって。


あの夏から飛び出して来た。

もうそれは一瞬で

眩しすぎる光を爆発させながら

飛び出してきた。


カズさんが大好きだったリョーちゃん。

リョーちゃんにとってのバスケと

リョーちゃんがリョーちゃんで在るわけが

あの頃描かれていた線は消えて

新たな線で描かれていた。

安い感想ですねって云われそうだけど

ワタシは涙が止まらなかったよ。


バスケ馬鹿達と同年代で作品を読みたかったと

ずっと思ってきたけど。

容赦なく時間が進んで壮年のワタシで

また作品に触れられてよかったなと思った。


少しだけ感傷的になったのは。

ワタシが抱えていた最高の夏の先があった事。

あの夏がどんどん過去になっていくんだなと。

ワタシが知っているあの夏が

彼らの至高であって欲しいと。

ワタシは長く、現実に触れられずにいるから

ただのエゴなのだけど。


あの夏のもうひとつのストーリーと

あの夏を越えた先。

特別だけど永遠ではない世界線を

カズさんにも観て欲しかったなって。


カズさん。

チバユウスケがスラダンに曲を書いたんだよ。こんな日が来るなんてね。

チバユウスケの声が聴こえてきた時は

身体が震えました。

カズさんが大好きなリョーちゃんのバスケと

チバユウスケの声が重なったんだよ。


カズさんの感想聞きたかったな。