誤解が解ければ

流産のことも伝えずに

今のこの苦しい時間に
ワタシが耐えられれば
あの人がまた隣に居てくれるんじゃないかと
祈りに似たバカな願いを

あの時のワタシは持っていたと思います。


本当のことなんて

なんの意味も持たないと知りました。

いろいろな沢山のことがあって

それでも一緒に居ることを選んで

不安になることもあったけど

少しずつだったとしても

二人なりの何気ない毎日を

重ねていけていると

思い違いをしていたのかもしれません。


「電話する」と云った次の日には

心が変わってしまうようなあの人を

信じすぎていたのか

信じてもらえなかったワタシが

どんな失敗をしたのかは

今もわかりません。

知ってもしょうがなしい知りようもない。

 

ただ、あの人が

冷めてしまったのだということは

よく分かりました。

 

最後くらい聞き分けのいい女で

いれればよかったのにと

今なら思うけど。

あの時のワタシには無理でした。

 

「もう会えないってこと?」

って聞いたワタシに

「ワタシはもういらない」

とあの人は答えました。

 

心音は止まってしまったけど

お腹に子供が居て。

子供を授かれるくらい

ほんの少し前まで一緒に居たのにって

虚しいなぁって涙が出ました。

 

それは「ワタシ」に対しての言葉で

流産を知らないあの人が

聞こえてるわけもない「子供」に

云ったわけでもないのに。


「もういらない」って言葉を

「ワタシ」と「子供」の存在を否定されたと

感じてしまいました。


弱すぎるワタシは

言わないと決めていたのに

「また赤ちゃん流れちゃったよ」と

あの人に伝えてしまいました。

 

どんな言葉があの時欲しかったのか

覚えていないし、分かりません。

 

 

「また赤ちゃん流れちゃったよ」

伝えたワタシへの

あの人の返事は

短い一言でした。

 

「うん。」

 

 

 

云わなければよかった。

云わなければ聞かずに済んだのに。


 

あの人とワタシの終わりは

こんな終わりでした。

 


だから書いたでしょ?

未練を残させてくれる様な

最後でもありませんでしたって。