ずっと考えている事があります。

大切な人達の事もだけど。
ずっと
ずっと
考えていた事。



カズさんは最後に
ワタシに何を望んでいたのか。

ずっとずっとずっと
考えてました。


別れてすぐ
カズさんが病に侵されて。
「生」を望み信じながらも
どこかで
「死」を覚悟していたのではないかって

ワタシは考えていました。


遠い国のベッドの上で

ワタシが来るのを待っていたのではないか。

ワタシに看取られる事を望んでいたのではないか。


そんなことを何万回も考えました。


そして、

ワタシが来ないことも望んでいたのではないか

と思うワタシもいます。


カズさんの再発を聞いて

治ると信じながら、一緒に死ぬってコトも

頭を何度も過ぎりました。


一緒に生きれないのに

一緒に死ぬだなんて

ワタシはどこまでも

勝手なことを

あの頃考えてました。


ワタシ達は別れた。

一緒に生きれないワタシに

一緒に死ぬコトを

カズさんは望むわけがない。



カズさんは最後に

なにを望んだんだろう

って

ずっとずっと考えてました。


今も、考えてます。


昨日の夜の雨が

ワタシに

染み込んで


何かが

分かったような

気がしました。


東京で雨の中の蓮を見たときにも

何かが

分かりかけている

気がしました。



答え合せは出来ないけど。




カズさんが

ワタシに最後に望んだ事。


手を握って

看取られることでも

ワタシに

もう一度会うことでも

なくて。



カズさんが

ワタシに最後に望んだ事

は。



「俺のことは忘れて暮らしてくれ。」

ってカズさんの

声が

ワタシの中に聞こえました。



違うかな?


答え合せは出来ないけど。




「俺のことは忘れて暮らしてくれ。」

ってカズさんの

声が

ワタシの中に聞こえたんです。




「オレノコトハ

ワスレテクラシテ。

ソレガ

オレノ ノゾミデス。」





ドコデスカ?