あの夜、公園のベンチで隣に座ったカズさん。


不思議な感覚。


ナンパ?
変な人?
なんて、チラっともワタシの頭にはなかった。

好みの顔だったから?
……違うなぁ。激しく否定は出来ないケド。


もっと違う感覚。


不思議な感覚。


次の日。
ベンチで待っていたカズさんを見つけた時、ワタシは泣きたくなりました。

ワタシに気付いたカズさんが紙袋から慌ててグラスを出して、笑ってワタシに振って見せる姿に
涙が少し出ました。


素敵な人だなぁって涙が出ました。


不思議な、素敵な人。


ずっとずっと、そう思ってました。
今も思っています。


あの夜、二人で飲んだズブロッカオレンジはあなたが予告した通りにいままでで一番おいしかった。


ワタシはね。

お酒が苦手なカズさんは真っすぐ座ってられなくて、少し辛そうだったけど。


遠慮気味に少しワタシに寄り掛かったカズさんの少し捲ったシャツから見える腕はシャツより白くて、何故だか泣きたくなりました。

よたよたしながら、自転車押して帰る後ろ姿にも涙が出ました。
あまりにも可笑しくて。


不思議な、素敵な人。


今でも。


ドコデスカ?