先生から早々の修正依頼。
「あなたに起った事、大事な人の事、繋がっているんだから、全部。」って。全部?ってパニック起こすワタシに「全部」って何度も云い切る妥協なしの先生。


カズさんに初めて会ったのは公園でした。
当時住んでいたアパートの前に大きな公園があって、ワタシは夜ベンチに座ってぼんやりするのが日課でした。カズさんはラジコンをしていました。(よく見かけるなぁ)が印象。

初めて言葉を交したのは、風が暖かい満月の絶望の夜でした。ワタシの足元にラジコンが。顔を上げるとカズさんが立っていました。
「こんばんわ」
少し首を傾げてワタシの顔を覗くようにゆっくりとカズさんは云いました。

びっくりはしなかった。

「こんばんわ」
ワタシもゆっくり答えました。

ワタシの隣いい?ってカズさんが指差しました。

どうぞって少し横に座り直して
カズさんが隣に座った時にオレンジの香りがしました。

カズさんが膝をワタシに向けて、胸に手をあてて、名前を云った。
ワタシはぼんやり聞きながら、オレンジの香りの訳を聞きたいなぁと考えてました。

ワタシが名乗ったら、カズさんは はっとした顔をして、優しく微笑み、ワタシの手に手を重ねて

「俺はあなたの子供の父親です。」
って云いました。

きっと誰にもこの言葉の意味は分からないと思う。

ワタシとカズさんにしか分からない交した言葉。
二人で居た間、一度も振り返った事なかったけど。



今日はここまで。



今日は風が強かった。桜が揺れていた。雲が流れて星が見えたり隠れたり。

ドコデスカ?