orange days

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Love Mr.Children

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「タガタメ」

ひとりで帰る電車で
本を読んでいた

高3の生徒が主役の小説
同い年の"私"が描かれていた

ふと左側の席を見てみた

5人の小学生
男の子3人 女の子2人

仲良く授業で採取した植物を
手の中に握りしめながら

小学生お得意の
「先生に言っちゃうよ」を連呼

なんだか微笑ましくて
過去の"私"を垣間見た

私の右側には20代の男女が
彼らを見て笑あっていた

こうあってほしい
理想の"私"がそこにはいた

そして最近やけに
感傷的になった今の"私"

木々が秋の紅葉という
大きなイベントを終えて

寒そうに寂しげに
肩を並べて立っている

その姿に華やかさは
見当たらない

その風景が今の周囲の状況に
すごく重なる

今日は高校生活
最後の定期考査の最終日

だいたいこの時期になると例年
クラス全体が緊張状態になって

"個"として
毎日を送るようになる

今まで教室にあった
ざわざわと葉と葉が重なりあって鳴らすようなハーモニーも

この時期には見受けられない

いつもの笑い声もはしゃぎ声も
廊下には響かない


あと約40日足らずで
センター試験が行われる

それを皮切りに2・3月と
受験シーズンが到来する

私はこの荒波に幸いながらも
飲み込まれずに進路が決定した

決まってすごく嬉しいし
これからの時期を例年通りに過ごせるありがたさを噛み締めている

でも何でだろう

すごく寂しくて

ひとりぼっちに
なっちゃったみたいな感覚

気を緩めたら
一気に涙が出そうな

そんな気分で過ごしている


贅沢だよね

進路は決まってるくせに
同じ境遇に立ちたいだなんて

目障りだよね

早々と決まって安心なくせに
私も受験生みたいな顔して
一緒に過ごすやつなんて

いっそのこと決まったって全員に言えたらどれだけ楽かな?

私の進路を知っている一部の人と日々を過ごすことが

辛くて仕方ない

いつの間にか友人を避け始めてしまった自分が情けない

このまま卒業なんて嫌だ

だから私は待つことにした
祈りながら待つ

また新しい生命を宿す
あの木のように

満開の笑顔に会えること
そして笑顔で卒業出来ること

私は祈ることにするね