一方、幸福実現党は経済的観点、更に安全保障的観点という両面から見てTPPへの参加は必要不可欠であると一貫して訴えてきました。

経済成長の観点で見ても、関税撤廃の効果のみで10年後のGDPを2.7兆円押し上げる効果があると言われておりますが、それ以外の効果も含めれば、その試算を遥かに超えた経済効果が短期的に現れてくるはずです。

反対意見の強い農業においても、TPP参加による農業崩壊はあり得ません。

関税はすぐに撤廃されるわけではなく、その移行期間に日本が持つ世界トップクラスの農業技術力を活かして、農業を本格的に成長産業に変え、「金のなる木」に変えていくことだってできます。

また、日本の歴史認識を巡って米中が接近するような構図も出来ていますが、TPPに関しては「中国覇権主義に対する包囲網」であるという意味合いは原則変わっておらず、日本の国益に大きく資する点を忘れてはなりません。

更に「アメリカ陰謀論」への反駁として付け加えれば、二国間であると国力の差が交渉力の差に繋がってしまいますが、逆にTPPのような多国間交渉になれば、日本にとって交渉余地が大きくなります。

なぜなら、アメリカ以外の参加国と利害が一致すれば、対アメリカで連携して交渉に臨むことが可能となるからです。

アメリカの要求を抑制するためにも、多国間の枠組みが有効なのです。





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また、TPPを通じてアメリカがアジア太平洋地域で好き勝手にやろうとしているというような「アメリカ陰謀論」がTPP慎重派の議員らの中で根強いことも挙げられます。

確かにアメリカがTPPを通じてアジアへの輸出拡大を目指しており、その背景にはオバマ政権は来年秋の中間選挙を控え、オバマ政権の公約である輸出倍増計画の達成に向けた実績としてアピールしたい思惑があることも事実です。

こうした「アメリカ陰謀論」を唱える人は1989年~90年の日米構造協議などで日本に高圧的な要求を突きつけたアメリカの姿勢が記憶に残っている人も多く、特に国防強化や正しい歴史認識の重要性を訴える保守系の言論人が非常に多いことも特筆すべき点です。

以上のように、TPPを取り巻く環境はまだ不安定であり、今後の交渉次第で、野党のみならず政権与党内からも反発が強まり、TPP交渉自体がとん挫する危険性があることを知らねばなりません。





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野党はともかくとして、なぜ与党内にもこれほどまでにTPPへの慎重派、反対派が多いのか。

一つには既得権益の「聖域」を守ろうとする政治家が多すぎる点が挙げられます。

代表的な事例としては、TPP参加で国内農業が崩壊するという農業界を中心とした主張に迎合する農村地域選出の政治家の姿であります。

現に農水省が2010年11月に公表した試算では、TPP参加によって現在10兆円の農林水産業の生産額が4兆5000億円まで半減し、現在40%の食料自給率は13%まで低下するという悲観的な試算が出されており、それを真に受けた農協を中心に「TPP断固反対」の旗を掲げています。

そうした農協からの選挙で応援を得るために、昨年の衆院選で「聖域なき関税撤廃を前提にする交渉参加に反対」と訴え、参院選でも「守るべきものは守る」と公約に盛り込み、農村票を納得させてきた経緯があります。

このように、情報開示もなくTPP交渉が政府主導で進んでいく実際の政権運営と、「このままでは地元に説明がつかない」という選挙対策の狭間に立たされているポピュリズム政党の矛盾が垣間見れます。





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