そのような中、日本は南太平洋において存在感を示すことが未だにできていません。

国内では財政規律主義が横行し、政府開発援助(ODA)が頭打ちとなるなか、中国に押され気味となっております。また、日本は戦前の反省からか、オーストラリアの顔色をうかがい、南太平洋への本格的進出に踏み切れないでいます。

しかしながら、この南太平洋諸国は総じて「親日的」であり、特に大東亜戦争で最も過酷な戦域と言われたパプアニューギニアでは、規律正しく、教育熱心で、現地の人々と目線を同じくした日本の軍人に敬意を表し続け、「大の親日国」であるのです。

『日本の南洋戦略 ―南太平洋で始まった新たなる〈戦争〉の行方』(丸谷元人著、 ハート出版)には、彼らの日本人に対する感想が以下のように紹介されています。

「日本が戦争に勝っていてくれていれば、我々はここまで苦しむことはなかった。もっと発展していたはずだ。…しかしここは違う。白人によって引き続き搾取されただけだ。」

「日本軍はこの村を去る時、『自分たちはいつか必ず帰ってくる』と言った。以来、我々はずっとその帰りを待っている。いったい、日本軍はいつ帰ってくるのか…日本人は必ず約束を守るはずだ。」




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中国の南太平洋への進出の狙いは大きく二つあるといって良いでしょう。

一つは、パプアニューギニアを中心に存在する銅や金、天然ガスなど膨大な資源権益、もう一つは、アメリカやオーストラリアが握ってきた南太平洋の海洋権益であります。

既に中国はインド洋沿岸のスリランカやパキスタンなどで港湾整備を支援し、インドを取り巻く「真珠の首飾り」作戦を展開しています。

と同時に、中国は南太平洋海域を中心に、アメリカとの有事を視野に入れた「第二の真珠の首飾り」作戦に取り掛かっているのです。

この南太平洋が中国の手に落ちれば、アメリカの安全保障に重大な支障をきたすのはもちろん、日本にとっても「マラッカ海峡ルート」の有力な代替ルートである「ロンボク-マカッサル海峡ルート」を封鎖される恐れがあり、日本の兵站は絶体絶命の状況に陥るということを知らなければなりません。





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このように中国と南太平洋諸国が蜜月の関係を構築する背景には、微妙になりつつある南太平洋諸国とオーストラリアとの関係が挙げられます。

元々、南太平洋地域はオーストラリアが主体的に管理し、ニュージランドがそれを支えるという体制が維持されてきました。

しかし、かつてオーストラリアの植民地下にあった南太平洋諸国では「白豪主義」などへの反発が根強く、そこに中国が「植民地解放の英雄」を気取って入り込み、「脱豪主義」が進行している状況にあります。

反オーストラリアの急先鋒であるフィジーでは、中国だけを念頭においた「ルックノース政策」を掲げており、軍事的にも、経済的にも中国と急速に近づき、援助額は以前の150倍にも上っています。

2010年には習近平もフィジーを訪問し、オーストラリア政府に大きなショックを与えたのも記憶に新しいところです。




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