日本は『複眼思考』でアメリカ外交を考えるべき ~カナダ・メキシコ外交のすすめ~[HRPニュースファイル851]

 ◆中国の防空識別圏設定への対応から見るアメリカの弱腰

アフガニスタン、イラクでの戦争に追われる間に、極東における中国の台頭を許したという反省から掲げたはずのアメリカの「アジア回帰」に明らかな齟齬(そご)が出始めています。

それが露呈したのは、先日極東の首脳と会談を行ったアメリカ・バイデン副大統領の中国による防空識別圏設定への対応です。

安倍首相との会談ではバイデン副大統領は、日本の撤回要求を拒み、習近平国家主席との会談においては懸念を表明したものの、バイデン副大統領は、

「(米中の協力関係は)信頼に基づくものではなければならない」と述べるに留まり、中国の強硬路線を止めることは出来ませんでした。

この対応に米ウォール・ストリート・ジャーナルではオバマ政権を「弱腰」と批判し、この姿勢が中国のさらなる軍事的な脅威を誘発すると警告しています.

 ◆日本の期待に反して、中国への踏み込みが甘すぎるアメリカ

その弱腰姿勢には、まずトップであるオバマ大統領の個人的資質に依るところが大きいと言えるでしょう。

オバマ大統領に近しい人々は彼のことを「敵に優しく、味方に厳しい」という評価を一様にしております。

シリア問題においては、大統領特権を持ちながらも攻撃に当たって議会の同意を求めるという自らの権限を矮小化するような愚挙に出て、側近たちを驚かせた経緯もあります。

また、シリア内戦やイランの核開発など中東の動きが活発で外交上の余力がなく、もっぱらワシントンでは「中東・イスラム」が主要なテーマとなっており、既に「アジア回帰」は有名無実化していることも「弱腰」につながる事実として挙げられるでしょう。(参考:宮家邦彦のWorld Watch)

それ以外の異なる視点として、アメリカは伝統的に、隣国同士に適度な緊張関係をもたらすような「力の均衡(バランス・オブ・パワー)」を作りだし、結束させない外交努力を行って来たという点です。

歴史的に見ても、明治維新以降、アジアにおける政治バランスが日本一極に傾くことを恐れて、戦前のアメリカは中国を支援してきた経緯があります。

戦後においても、中国との歴史問題や韓国との従軍慰安婦問題など、根拠がないにもかかわらず、アメリカが主導的にそうした対立軸を作り出すことで、極東が安定しないように誘導してきたと言えます。

特に安倍政権が発足してから、自虐史観からの脱却を訴え中韓両国と歴史認識を巡って対立していますが、こうした背景から「日本の右傾化」が進行していると警戒するアメリカの政府筋、メディアや識者は決して少なくありません。

日米同盟の重要性がようやく日本国内に浸透してきたのに反して、逆に風当たりが強くなり、「敵に優しく、味方に厳しい」時代が訪れる可能性も考えられます。

 ◆アメリカの両脇を抑える「攻めの外交」を

日本にはもう一段、日米関係を刺激し、活性化させるような「攻めの外交」が必要だと考えます。

その一つの外交的アプローチとして、逆にアメリカの隣国、カナダやメキシコなどと更に緊密な外交関係を築くことを提案したいと思います。

カナダはアメリカと地理的に近いことから政治経済面でアメリカとの共通性が強く、NATOの加盟国として冷戦時代を含めてアメリカと共通の安全保障政策を確立し、軍事的な一体性が強いと言えます。

一方で、北ベトナム空爆への批判やイラク戦争への参加拒否など、アメリカに対して堂々と「反対意見」を言える国とも考えられます。

また、メキシコはアメリカとの戦争で過去に大きな敗北を喫した経緯もあり、対米感情は微妙ですが、経済的な結びつきは非常に強く、世界第15位の経済規模を誇っています。

今後も安定した人口増加が予想され、「100年後にはアメリカと覇権を争う」と予測するシンクタンク(ストラトフォー)もあるぐらいです。

共に西半球では有数の産油国で、日本にとっては高すぎる原油の中東依存を軽減し、シーレーンリスクを負わない点がエネルギー安全保障上大きなメリットであると言えます。

実際に9月には安倍首相もカナダを訪問し、「シェールガス」の輸出協力などで合意しています。

また、両国とも地続きのため、アメリカ本国との人的交流も非常に盛んな点も、カナダ、メキシコ両国との外交進展がアメリカへの大きな影響力を及ぼすと考えられます。

特に、アメリカ国内におけるヒスパニック系人口は2010年で5050万人(16.3%)おり、2050年にはアメリカ国民の30%を占めると言われております。そして、その内の6割以上がメキシコ系移民と言われており、アメリカ国内の世論形成において大きな潜在的な力を持っていると考えられます。

 ◆日本は「複眼思考」でアメリカとの関係を考えるべき

もちろん、今の日本の国益を考えた時に大前提は「日米同盟の堅持」であり、アメリカとの良好な関係を保ち続ける努力を最大限に行うことです。

その一方で、前述したように、世界の警察を降りたアメリカの国力低下や、極東でも力の均衡を取ろうとする外交手法から鑑み、いつまでもアメリカをアテにせず、自主自立できる安全保障体制の確立を安倍政権は急がなくてはなりません。

更に、「日米関係」に刺激を与え、活性化させる外交政策として、アメリカの両脇であるカナダとメキシコをしっかりと押さえることです。

奇しくも両国ともTPP参加国であり、今後日本との自由貿易の幅が格段に増加することは間違いありません。外交においては「複眼思考」が必要不可欠だと言えます。

長期的スパンで見れば、アメリカとの関係がいつ緊迫化するとも分かりません。その時に、この両国との良好な関係は日本を守る大きな武器となり、盾となるはずです。

(HS政経塾第1期生 城取良太)

【参考文献】
「国家の気概」 大川隆法著
「アメリカはいつまで日本を守るか」 日高義樹著
「いつまでもアメリカをアテにするな!」 田母神敏雄著
「100年予測」 ジョージ・フリードマン著
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【本日のニュースクリップ】
1.大川隆法・幸福の科学総裁が、エル・カンターレ祭で「智慧の挑戦」を説く
2.張成沢氏の粛清は2年前の金正恩守護霊霊言の通り? 親族処刑はこれが初めてではない
3.韓国の不当な賠償請求に「応じない」とした三菱重工 正論を貫き日韓の関係構築を



◆大川隆法・幸福の科学総裁が、エル・カンターレ祭で「智慧の挑戦」を説く
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通算2100回以上の説法を積み重ねている、大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁のエル・カンターレ祭大講演会「智慧の挑戦」が14日、千葉幕張メッセを本会場として開催され、全国・全世界の約3500カ所に衛星中継された。

エル・カンターレ祭とは、幸福の科学が主催する2大祭典の一つで、地球神エル・カンターレへの感謝を捧げ、仏国土ユートピアの建設を誓う祭典だ。本会場の幕張メッセには、冬の寒い中にも関わらず、開演の数時間前から長蛇の列ができ、開場は満員となった。

開演前には、海外信者たちを中心にした歌やダンスが披露され、続くライティングショーや奉納曲で会場が荘厳な空気に包まれる中、大川総裁は盛大な拍手を受けて登壇し講演が始まった。

講演の冒頭、現代社会は高度化し、学問も専門化して、専門家と言われる人が数多くなっている一方で、「人間はなぜこの世に生まれてくるのか」「人間であるとはどういうことなのか」という根本の人間観を持てないでいる人が増えていることを指摘。

「人間はなぜ努力することをやめないのか」「偶然にこの世に投げ出された存在であるならば、なぜ他の人に愛を与えようとする人が存在するのか」という疑問に対する答えを知ることこそ、本当の「知る権利」であると説いた。
その意味において、知識とは価値中立的なものであり、人を幸福にする知識と、人を害する知識を分けるものこそが智慧の力であると強調した。

そして、まだ真理が届いていない世界の国々への伝道の必要性を述べ、「この世の命は、有限です。しかしながら、真理は、絶対に、死にません」と力強く訴えた。

本講演では、以下のような論点にも言及しており、拝聴すれば宗教や思想、信条の違いをはるかに超えた、地球神の愛と許しの慈悲、普遍の真理を得ることの尊さが魂に響き渡ってくるだろう。

・この世において天使の片鱗を見せている人の生き方とは。
・日本を敵視する国に対して、どのような思いで生きれば勝利したと言えるのか。
・地球神エル・カンターレの使命とは。
・学問の世界に必要な「智慧の挑戦」とは。


本講演は、全国の幸福の科学の支部・精舎で拝聴できる(支部・精舎の連絡先は、幸福の科学サービスセンター03-5793-1727(火~金10-20時、土日10-18時)、または同グループサイトの支部・精舎アクセス http://map.happy-science.jp/まで)。

【関連記事】
Web限定記事 ネルソン・マンデラ元大統領の「復活」メッセージ
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2013年12月号記事 大学の使命 なぜ新しい学問の創造が必要なのか
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6829

2013年10月号記事 大川隆法著作シリーズ1300冊の歩き方
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6540



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保育業界に市場原理を[HRPニュースファイル850]

子どもがいれば必ず利用する保育園や幼稚園。しかし、保護者も保育士も、意外に知らないことが多い様です。

それもそのはず、保育業界の始まりは今から約140年前といわれていますが、時代の変化とともに子育てスタイルも様々になり、国として対策を講じるうちに複雑になってきました。

 ◆保育園の種類

保育形態は大きく「施設保育(特定の場所に施設を設けて保育をする)」と「在宅保育(保護者や保育者の自宅で保育をする)」に分類できます。

[施設保育]の中には、国の認可制度に基づいて設置する「認可保育所」と、認可していない「認可外保育所」があります。

[認可保育所]の運営形式は、主に「公立(公設)」と「私立(民設)」に分類されます。(その他「21世紀事業団による事業所内託児施設」や、「都道府県による認定こども園」等もある)。

更に、[公立]は「公設公営」と「公設民営」に分類され、[私立]は「民設民営」で、その多くは「社会福祉法人」、その他(「宗教法人」「株式会社」「NPO法人」など)の運営があります。

国以外の制度としては、東京都の「認証保育所」や、横浜市の「横浜保育室」、「保育ママ」など自治体独自の制度があり、基準を満たし認証を受ければ補助金も受けられます。

 ◆認可外保育所の現状


「認可外保育所」は、2001年までは設置届けの提出義務がなく「環境が悪い」というイメージが強かったと思いますが、現在は都道府県や市町村の監査を受け、認可外保育施設指導監督基準(※)に則った運営が行われています。

特徴としては、認可保育所に比べ自由度が高く、24時間型の託児所や、教育に特化した教育型、習い事機能を兼ね備えた保育園など様々な事業モデルがあります。

「ベビーホテル」「事業所内保育所」など、認可保育所に入所できなかったお子様や、認可保育所では対応できない時間帯・曜日に仕事をしている保護者のお子様を預かるなど、近年はその役割も増えていますが、多くの施設が経営的に厳しいのが実情です。

 ◆保育市場の新規参入が難しい

厚生労働省が発表した「認可外保育施設の現状取りまとめ」によると、2012年の廃園件数は全国で523ケ所(全体の7%)、新設園は758ケ所です。

全体的には増加しているため需要が高まっているように感じますが、保育収入だけで売上が構成され、人件費が60~100%を占めている園が多く、人件費しか賄えない、人件費すらも賄えないという園も少なくありません。

私自身、認可外保育施設の立ち上げから携わっておりますが、認可保育所に比べ保育料を高額にせざるを得ない認可外保育所は、園児を集めるにも一苦労。

入園するお子様の多くは、認可保育所に入れなかった0~2歳児となり、「認可外保育施設指導監督基準」における人員配置基準が、認可保育所同様に1人の保育士につき「0歳で3人まで」「1~2歳児で6人まで」と決まっています。

ですから採算が合わず、3歳以上が集まらないと事業として成立しません。

更に、園庭がなく小規模の託児所では幼児になると転園し、4月になると園児が減少するため、「園児が安定的にいない」という状況になり、とてもリスクが高く、新規参入が難しいのが実情です。

もちろん「経営努力」や「マーケティング」が重要なのは当然のことです。

中には、保育料が10万円にも関わらず、「英語や運動教育」「施設規模」などの面で人気が高く、定員100名程の園に1,000人以上の希望者が集まるという認可外保育所もあるそうです。

しかし、認可を受ければ自治体から多額の補助金を受けられる認可保育所と比べると、経営状態に天と地ほどの差が出ています。

 ◆市場原理を導入し、「質の高い」保育園へ

待機児童の問題を解決するためにも、規制緩和と共に、補助金で守られてきた保育業界への、「市場原理の導入」が必要だと考えます。補助金がなくてはやっていけない事業に、発展は期待できません。

今、子ども・子育て関連3法による新たな制度が始まろうとしており、消費税引き上げによる財源として認定こども園等への新たな給付も盛り込まれていますが、消費税増税により財源が増えるという保障はなく、消費増税により迎えるであろう不況の中、市場原理を導入せずに、国が責任を持ってサポートし続けるというのも、不可能だといえます。

「保育もまたサービスである」と考え、優れたサービスを提供し、納得できる料金設定がなされていれば、あとはすべて市場が決めてくれる、つまり、よい保育園は残り、そうでなければ淘汰される。それは必ず「保育の質」の向上にもつながります。

利権に振り回されることなく、子ども達の未来のために、保育業界における大きな変革が必要だと考えます。

(幸福実現党 愛知県本部青年局長 中根ひろみ)

※認可外保育施設指導監督基準(一部抜粋)
1 保育に従事する者の数及び資格
(1) 保育に従事する者の数は、主たる開所時間である11時間(施設の開所時間が11時間を下回る場合にあっては、当該時間)については、概ね児童福祉施設最低基準(以下「最低基準」という。)第33条第2項に定める数以上であること。ただし、2人を下回ってはならないこと。また、11時間を超える時間帯については、現に保育されている児童が1人である場合を除き、常時2人以上配置すること。 
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