なぜ江沢民氏は国際手配されたのか[HRPニュースファイル912]

http://hrp-newsfile.jp/2014/1277/

文/HS政経塾スタッフ・遠藤明成

◆闘牛の国からの挑戦状?

靖国参拝や慰安婦、先の大戦への謝罪要求など、中国・韓国のいわれなき反日キャンペーンが続いていますが、「過去の戦争」ではなく、「現代の大量虐殺」の容疑者として、江沢民氏ら5名の中国人が注目されています。

スペインの全国管区裁判所は11月19日に江沢民氏や李鵬氏、喬石氏ら5名を、80~90年代チベットでの大量虐殺に関わった容疑者と見なし、2月12日にICPO(国際刑事警察機構)加盟諸国へ逮捕を要請したからです。

この逮捕状は06年にチベット人の救済を求める人権団体からの刑事告発に対処したものです。(これ以外にも、10月9日には、同種の容疑で胡錦濤氏も告発されている)

◆告発と国際手配の背景にある「普遍的管轄権」という考え方

スペインでは、大量殺戮等の重大犯罪の当事国で裁判が行われない場合に、第三国が裁判をする権利を認める「普遍的管轄権」が定められているため、同国の裁判所は海外の事件に関しても人道的犯罪などの訴訟を受理しています。(※一定の条件はありますが)

98年には、スペインから大量虐殺の容疑で告発されたチリのピノチェト元大統領が、98年にロンドン滞在中に、同国からの要請を受けて逮捕されました。(その後、チリの抗議を受けて釈放)

こうした告発は人権団体から評価されましたが、外交問題が増えるので、近年のスペイン政府は海外の人道的犯罪訴訟の条件の厳格化を進めています。今回はスペイン国籍を持つチベット僧がいたので、こうした告発が可能となったのです。

(※ICPO加盟諸国は普遍的管轄権に対して自国民を引き渡す義務を負わないので、前述の5人は中国国内にいる限り裁かれることはなく、この逮捕要請は政治的メッセージと見られる)

◆矛盾する正義と利害関係――普遍的管轄権の活用は可能か

今のスペインでは、法律家の正義と国家間の利害関係が矛盾しています。この状況を、2月12日付の毎日新聞朝刊(9面)が報道していました。(以下、要旨)

・中国はフランスに次ぐスペイン国債保有国であり、対中貿易を経済再建の切り札にしたい現政権は、司法と外交の間で板挟みとなっている。(スペインを訪れる中国人観光客も激増している)

・同国の国民党は、1月に虐殺などの人道的犯罪の訴追対象について、改正案を提出した。この案では訴追対象はスペイン人とスペイン定住外国人などに限られ、「犯罪発生時点」での被害者のスペイン国籍所持が条件化される。これが成立すれば、今後、96年に国籍を取得したチベット仏教僧らの告発は認められなくなる。

こうした「普遍的管轄権」の行使には現実の壁だけでなく、国際法における「内政不干渉の原則」との矛盾という課題もあります。これが多くの国で司法の原則として認められた場合は、自国裁判所における他国指導者の訴追が頻発し、多くの外交問題が発生するからです。

今回のスペインの司法判断には正当性がありますが、この考え方を悪用すれば、人権侵害や大量虐殺の事件を捏造し、他国の政治指導者を自国の裁判所で訴追することもできるでしょう。

そのため、最後は力関係がものを言う国際社会で、「普遍的管轄権」が有効に活用されるか否かは、今後、自由と民主主義の側に立つ国々の努力次第で決まると言えます。

◆世界に北朝鮮、中国の人権侵害の実態を知らせるべき

今回のスペインの司法判断は、中国の軍拡と人権弾圧を放置してきた各国に対して、一石を投じる試みでした。拉致の事実を認めたにもかかわらず、金正日を訴追できなかった日本は、この毅然たる姿勢を見習うべきではないでしょうか。

人民を飢えさせながら、一年分の食糧費に相当する国費をミサイル実験に注ぎ込んできた金正恩も、「人道に反する罪」を犯しているからです。

09年に、幸福実現党・大川隆法総裁が「金正日を東京地裁で裁判にかけます」(『幸福維新』http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=107)と訴えたように、日本には悪を抑止し、東アジアに自由の領域を広げる力が必要なのです。

日本は、憲法九条改正(もしくは解釈変更)や日米同盟強化、自衛隊の強化を図るべきですが、これと並行して、「現代の大量虐殺」に抗議する外交活動の展開が必要です。今回のスペインの国際手配要請に関しては、同種の活動の命脈が絶えないよう、日本はICPO加盟国として支持すべきでしょう。

拉致問題に関して、ジェンキンス氏(拉致被害者である曽我ひとみさんの夫)は、76~77年頃に、北朝鮮の立石里(リプソクリ)招待所にて、巡回医師が「スペイン人の女性を治療した。とてもきれいな女性だった」と話していたことを明かしていますが(産経ネット版2013.2.10)、日本は、被害者に14カ国の外国人が含まれている事実を広く訴え、欧米諸国とも連携して、北朝鮮の包囲網を強化しなければなりません。

日本は、今こそ、防衛・外交政策を見直し、第二の冷戦を終わらせるための一歩を踏み出すべきなのです。

【ご案内】

2月15日(土)HS政経塾第3期生による政策研究発表会(http://hs-seikei.happy-science.jp/2014/4252/)が開催されます。

気軽にご参加ください。

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【日 時】日時 2月15日(土) 14:00~16:00
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【参加費】 一般1000円、学生500円
【発表者】田部雄治、和田美奈、横井基至、瀬戸優一、森國英和
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【本日のニュースクリップ】
1.村山元首相が韓国で売国談話を正当化 「ドイツを見習って」日本は国際貢献を進めよ
2.「薬物依存」の精神医療でうつは治らない 霊的世界に目を開くべき
3.「立憲主義を踏みにじる安倍首相」? 憲法と国の存続とどっちが大事か
4.中台閣僚が初会談 孫文の思想で台湾は中国を呑み込め



◆村山元首相が韓国で売国談話を正当化 「ドイツを見習って」日本は国際貢献を進めよ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7369

訪韓中の村山富市元首相は12日、韓国国会内での演説で、在任中の1995年に発表した「村山談話」について「安倍首相がどのように話そうが、首相としてその談話を否定することはできない」と話し「ドイツは大統領がポーランドでひざまずいて謝罪し、ドイツ国民全体が戦争を反省することが証明された」と、ドイツの事例を引用して談話の正当性を訴えた。

村山元首相が持ち出したドイツの例は、ブラント西独首相が1970年、ワルシャワにあるユダヤ人犠牲者慰霊塔の前でひざまずき、虐殺について謝罪したというものだ(村山元首相は大統領と言ったが、正しくは西独首相)。一部の韓国メディアは、この事例を好んで用いて、日本も韓国に謝罪せよと繰り返している。しかし、ドイツの例を持ち出して日本を批判するのは、事実を誤認していると言わざるを得ない。

当時、ポーランドから帰国したブラント首相は、テレビ演説のなかで「戦後のドイツ人の旧東部ドイツ領からの追放という不正はいかなる理由があろうとも正当化されることはない」と話し、ポーランドがドイツ人を迫害した責任を追及。ブラント首相は、あくまでナチスによるユダヤ人迫害について謝罪したのであって、ドイツのポーランド侵略については謝罪していない。そして、ドイツとポーランドは今も、第二次大戦の戦後処理の解決に至っておらず、議論は平行線のままだ。

村山元首相や韓国のメディアらが主張する「ドイツを見習え」というのは、一体どこを見習えと言うのか。ブラント首相の言葉は、とても戦争行為を反省しているとは思えない。そもそも南京事件も慰安婦問題もでっち上げだと分かっている以上、日本にナチスのユダヤ人虐殺のような罪はない。また、日本の韓国併合は当時の諸外国も承認した合法的なものであって、ナチスの侵略戦争と結びつけるのは歪曲でしかない。むしろ、日本がドイツから見習うべきは、安全保障の面である。

1月末のミュンヘン安全保障会議で、ガウク独大統領は「ドイツは、ナチスや共産主義の時代があったからといって、(砂の中に頭を突っ込み、目をそらす)ダチョウのように、国際社会に対して負っている義務に背を向けていいということではない」とし、積極的な国際貢献を進めるべきだと述べた。ドイツは11カ国に約5000人を派兵しているが、米軍との協調を考えれば不十分であり、経済力に見合う貢献をすべきだという。

ドイツは日本と同じ敗戦国であるが、ドイツが積極的な安全保障政策を表明しても、韓国はナチスの復活とは言わない。一方、安倍首相が唱える積極的平和主義を、韓国は極右主義だとか、ヒトラーだとか批判しているが、言いがかりに過ぎない。村山元首相の発言は、日本を貶める韓国の世論を後押しするだけであり、売国行為そのものと言える。日本がドイツから見習うべきは謝罪ではなく、国力に応じた国際平和への貢献をしようという意思である。(慧)

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幸福の科学出版 『政治革命家・大川隆法』 大川隆法著
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【関連記事】
2014年2月6日付本欄 現代のナチスは日本? 中国? フィリピン・アキノ大統領が「中国はナチス・ドイツ」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7341

2014年1月28日付本欄 韓国が反日包囲網を形成中? 自らの首を絞めていることに気づくべき
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7308

2014年1月17日付本欄 米予算法案に潜り込んだ「慰安婦問題で日本は謝罪を」 韓国の姑息なロビー活動
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7230



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価値観外交を考える――民主主義と核不拡散条約[HRPニュースファイル911]

http://hrp-newsfile.jp/2014/1275/

文/HS政経塾 三期生 田部雄治

◆中国の脅威

現在、アジアにおいて最も大きな不安定要因の一つは、間違いなく中国の軍事的な拡張でしょう。

急激な軍拡を進め、南シナ海の島々の実効支配を進めています。尖閣諸島の領有権を主張し、防空識別圏を設定し、南シナ海の漁業を一方的に制限するなど、日本をはじめ、フィリピンやベトナムなどに脅威を与えています。

先日フィリピンのアキノ大統領は、中国をナチスになぞらえて批判をしました。

またアメリカも、防空識別圏の設定や尖閣諸島の領有権主張に対し、国際ルールを順守するよう、中国を非難する声明を出しております。

南シナ海は、日本の原油の90%が通過する重要なシーレーンであり、中国に支配されることは日本にとって致命的です。

◆日印外交

日本とインドは、民主主義国家であり、歴史的にも大変友好的な関係にあります。

またインドは、インド洋にも進出を図る中国に対しとても脅威を感じており、中国の侵略を食い止めたいという点でも利害が一致します。

先月26日から、安倍首相は訪印してインドのシン首相と首脳会談を行いましたが、日本とインドで、様々な協力関係の構築について話し合われ、大きな成果が得られました。

ところが一点、インドの抑止力としての核実験を認めるかどうかで、折り合いが付きませんでした。

◆インドの安全保障

1962年、インドは中国から一方的に侵略を受けました。この通常兵器による戦争において、インドは大敗北を喫しました。

しかもその2年後に中国は原爆実験を成功させ、さらに3年後には水爆実験も成功させました。

以上のような背景から、インドが核武装をせざるを得ないと判断したのも無理もないことでしょう。

核実験の実施後、インドは一時経済制裁も受けましたが、核実験を自主制限し核拡散も行わないという宣言をして、国際社会に復帰しました。

インドの核実験は自主規制であり、中国に対して一定の核抑止力が認められた形となりました。アメリカもこの前提で、米印原子力協力協定を結んでいます。

ところが上記の日印首脳会談では、日本がインドの核実験を認めなかったために、日印原子力協力協定は結べませんでした。

慢性的な電力不足に悩むインドに、原発の輸出が出来ないということを意味します。インド経済にとってはマイナスです。

◆核不拡散条約(NPT)の矛盾

インドの経済の発展は、インドの軍事力を支えます。インドの軍事力は、インド洋の安定のための大きな要因であり、インドと日本のシーレーンにとっても重要です。

核不拡散条約によって、世界最大の民主主義国家であるインドが損をして、世界最大の専制国家である中国が得をすることになります。

核不拡散条約を厳格に守ることが自由と民主主義を危機に陥れる、という矛盾が発生しているのです。

◆核不拡散条約を疑え

核不拡散条約は、核兵器が広がることを防ぐことに一定の役割は果たしてきました。しかしここにきて、限界が現れてきました。

そもそも核不拡散条約は、大変不平等な条約です。1967年1月1日までに核兵器を保有した米・露・英・仏・中の5か国にのみに核兵器保有と核実験の権利を認め、その他の国には認めないという条約なのです。

このうち米・露・英・仏の4か国は核実験の自主制限をしていますが、中国はしていません。また、中国がインドに隣接するパキスタンに核技術を供与したことは、公然の事実と言って良いでしょう。

核不拡散条約は、核兵器を作り続ける中国を止めることが出来ません。しかもその中国によって危機にさらされている民主主義国家・インドの安全保障にとって障害となっているのです。

国際ルールを守らず、自国の都合で好き放題する専制国家・中国をのさばらせるだけの核不拡散条約であるならば、改めなければなりません。

日本としては、アメリカ同等の条件でインドと日印原子力協力協定を結び、互いの経済発展を実現させるべきです。そのうえで、シーレーンの共同防衛を図るべきでしょう。

自由と民主主義という価値観を広げることを目的として、積極的に国際社会に働きかける外交をするべき時が来たのです。
☆゚・*:.。. .。.:*・゚
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