実の痛み」の続きです


②湿の痛み

これは身体に余分な水分があることによって起こる痛みです
そのため、雨など湿気の多い環境や、水分の摂り過ぎで痛みが増幅します。湿の痛みは「重だるい痛み」で、雨の日や湿気の多い日に悪化します

余分な水分がある場所に痛みが出て、頭痛、腰痛、膝痛などが起きます

根本的な原因は、胃腸の機能低下により水分代謝が悪くなった状態で水分の摂り過ぎ、冷たい飲み物・食べ物の摂り過ぎによって胃腸の機能が低下し、余分な水分が偏在化することによって起きます

この場合は、症状により処方が違います
頭痛には苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)
腰痛・膝痛には疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)、薏苡仁湯(ヨクイニントウ)などの処方が使われます

また胃腸の機能を上げる目的で、防巳黄耆湯(ボウイオウギトウ)、六君子湯(リックンシトウ)などを合わせて服用することもできます


ただ湿の痛みは、冷えや瘀血などが絡んでいる場合が多いので、なかなか難しい場合が多いかもしれません
症状に合っている処方は甘くて美味しいので、甘い処方を見つけるようにしてくださいねラブ

 

 



今日は痛みのお話です
みなさんから相談を受ける機会が多い病態ですが、間違った対処法をしている方がたくさんいるので、是非、理解して今後にお役立てください

中医学には「不通即痛(ふつうそくつう)」いう考え方があります

「通じなければ、即ち痛む」
つまり、何らかの原因で、(ケツ:栄養分)(免疫力や身体に必要なものを動かす力など)津液(シンエキ:血以外の水分)の流れが悪くなると痛みとなって現れる、ということです

更に痛みはその原因によって、に分けられます

は「要らないものがある状態(必要なものでも余分に有り過ぎると実になる)」、は「必要なものが足りない状態」とお話しましたが、痛みも実か虚かを見極めることが大切です


1「実の痛み」

①瘀血(おけつ)の痛み

これは今まで私のblogに何度も登場していますが、血(ケツ)が固まったり、ドロドロになったために起こる痛みで、打ち身・打撲・捻挫・ぎっくり腰などの急性的な痛みです
その他、寝込む程激しい月経痛、狭心症なども瘀血の痛みになります


瘀血(おけつ)の痛みは、「刺痛(シツウ)」と言って、槍で刺されたような痛み、つまり動かすことが出来ないとか、我慢することが出来ない非常に激しい痛みです

瘀血(おけつ)の痛みに使われる一般的な処方は桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)これはドロドロ血をサラサラにする効果があります

服用すると、すぐに血液がサラサラになり、打ち身、捻挫、打撲の場合は、RICE療法と合わせることにより、軽い場合は一日で痛みが治まり、腫れやあざも3日程で消えていきます

またもっと激しい瘀血状態になると、血(けつ)が固まった状態になります。これは血塊と言って、瘀血の中でも更に激しい痛み、のた打ち回るような痛みになります

子宮内膜症、脳内出血、心筋梗塞などのように、出血して行き場が無く、血(けつ)が固まった状態が血塊の痛みで、多くは便秘を伴います

(便秘と言っても、本人が気づかない場合もあります。例えば、「一日1回便通があったのに、そう言えば今日は便が出ていない」とか「便意があってトイレに行ったのに出ない」とか「肛門の近くまで来ているのになかなか出ない」とか「沢山食べたのに、食べた量の6-7割しか出ていない気がする」などです)

このような血塊の状態を改善するのが桃核承気湯(とうかくじょうきとう)。これは血(栄養)の塊を便として、体外に排出する効果があります

血塊があって、桃核承気湯が甘く感じる場合、血塊の状態によって効果が出るのに日数がかかりますが、早ければ数十分以内に、遅くても翌日中には便秘状態が改善し、スルスルという表現が相応しいほど、気持ちがいいくらい簡単に、普通のお通じがたくさん出てきます

ただし、桃核承気湯の効果は非常に激しいため、血塊が亡くなった途端、下痢便になりますので、便が出たら、すぐに服用をやめ、瘀血状態がまだ残っている時は、桂枝茯苓丸に変更します

軟便状態になってもやめずに、更に飲み続けると腹痛を伴うようになり、酷い場合は水溶性の便、水瀉性の下痢便になりますので、軟便になったら桃核承気湯の服用はすぐにやめなければいけません

 

その桃核承気湯の効き目を如実に表した逸話があります。私が中医学講座で講師の先生(1930-40年代に生まれた方)から伺ったお話

昔、その講師の先生の先生にあたる方(大先生)が、夜、交通事故に遭い、救急車で病院に運ばれたそうです
そして当直の医師に診てもらったところ、酷い骨折で手術が必要とのこと

けれど、夜間の手術は出来ないので、翌日手術を行うということで、一晩病室で痛みに耐え、待っていなければいけないことになりました。しかも、手術まで特に何も処置はしないとのこと

そこでその大先生は弟子達に連絡し「桃核承気湯を持って来い」と言ったそうで

早速、弟子達が桃核承気湯を持って行き、一晩、何時間おきに桃核承気湯を飲み続けたそうです
そして翌朝、医師が診断に来たところ、普通なら、交通事故の翌日は怪我をした場所が、とんでもなくパンパンに腫れ上がっているはずなのに、その大先生は全く腫れていなかったため、担当の医師がビックリしたとか

一晩中、桃核承気湯を飲み続け、排便していたせいでしょう
と、その先生は仰っていて、弟子達も桃核承気湯の効果を実感したそうです
 

ということで、私は、打ち身・捻挫・打撲などの急性症状の時は、まずは桃核承気湯を服用し、便によって血塊を排出させ、その後、桂枝茯苓丸に切り替え、瘀血を改善させる、というやり方をしています

瘀血状態になった時は、便秘傾向になりやすいため、桃核承気湯を飲むと、嘘のようにスルスルとお通じの出が良くなるので非常に爽快で、気分もすっきりするため、オススメかと思います。お試しください


以上、lalaのお薬情報でした

日本漢方(古方)と中医学(中国漢方)の違い
 

 

打ち身、打撲、捻挫、ぎっくり腰などの
「うっ!」というような衝撃の急性症状に対する効果的な治療法です

打ち身、打撲、捻挫、ぎっくり腰などの急性症状が起きると
患部の血管が広がって、血管内から痛みを出す物質(発痛物質)や、炎症を起こす物質(起炎物質)が出て患部に溜まり、腫れて痛みが出てきます


そのため冷やして血管を収縮させ、発痛物質や起炎物質が
患部に溜らないようにすることが大事です。また患部が心臓より低いと血液が溜まりやすいので、なるべく患部を心臓より高く上げます
これらの治療法を以下の頭文字をとって「RICE療法」といいます

R:Rest(安静)…患部を安静にします
I:Icing(冷却)…患部を氷などで冷やします
C:Compression(圧迫)…患部を固定します
E:Elevation(抑揚)…患部を心臓より高くします

以上のことを正しく早く行うことにより、軽度の場合は一日で痛みが無くなり、腫れもアザも出来ず、そのまま治ります
逆に、患部を動かしたり温めたりすると症状は悪化し、アザが残ったり、何日も何週間も痛みが続きます

とにかく、まずは冷やす!これが大事☆
氷をビニール袋に入れて患部を冷やし、冷やしすぎて痛くなったらしばらく離して、落ち着いたらまた冷やす、ということを繰り返します

よく市販の冷湿布を使う人がいますが、冷湿布は貼った瞬間はひんやりしますが、長時間貼ることにより患部が温まりますし、血行を良くするビタミンEが入っている商品もありますから、却って症状を悪化させます
そのため基本的に初期症状の時は湿布薬は使わない方がいいです

ドラッグストアやホームセンターに「叩いた衝撃で冷える」瞬間冷却剤が売っているので、氷が無い時はそれを使うといいですね。だいたい30分位効果があるみたいです

湿布薬を使いたい時は、痛み止めの入っている湿布薬を貼り
その上から氷で冷やすことをおススメします

当然炎症がある時は湯船に入ってはいけません。患部を温めないよう注意して患部が足の場合はシャワーだけにします
このように正しい治療をすれば、軽いものでは1日、ひどくても3日ほどで炎症は治まり、痛みが軽減します

以上が急性症状の正しい治療法です

ぎっくり腰もこれで充分。腰に氷を入れた袋を乗せて安静にしていれば、軽い場合はすぐに良くなってきます
お試しください

 

 

 

 

中医学では身体の病態を「冷えている」か「熱を持っているか」で分けますが、いわゆる風邪も「冷えの風邪」と「熱の風邪」に分け使用する処方も違います



●冷えの風邪
冷えの風邪は病邪(病気の元)が背中から入ると考えられ
後背部のゾクゾクッとする寒気から始まります
このため身体を温める処方、麻黄湯(マオウトウ)や葛根湯が使われます

共に麻黄という強い発汗作用のある生薬が含まれていて、冷えによって閉じた汗の出口を開き、発汗によって体温を上げ、体表部の病邪を追い出し、いわゆる風邪状態を治します
なお発汗と言っても、皮膚表面がうっすら湿る程度でダラダラ汗をかくわけでは有りません

中医学ではCTスキャンで見るように身体を輪切りにして
一番外側から皮毛→肌肉(皮下組織)→経絡→筋→関節(骨)→内臓、と分けていきますが
麻黄湯は皮毛(ヒモウ)という身体の極々表面に病邪が取り付いた状態に効き、それより更に奥の肌肉(キニク)まで入り込んだ場合には葛根湯が効くと言われています


しかし一般的に肌肉まで入るスピードは速いため、麻黄湯が効くのは病邪の侵入後、数時間から1日と言われ、多くの場合「寒気がしたら葛根湯」と考え、葛根湯を服用していいでしょう

カネボウ薬品(現クラシエ)で10数年前に見せてもらった資料ですが、日本大学松戸歯科病院内科の研究で、何人かの人に葛根湯を服用させ
2分後、5分後、10分後、20分後に体温を測ったところ

2分後には体温がすでに上昇し、5分後、10分後と上昇し続け
20分後には体温が下がった、という結果が出ていました

このように葛根湯の効果は素早く、服用すれば数分後に寒気が無くなります。しかし病邪の勢いが増す(ウィルスの数が増える)前に服用しなければいけません
寒気がしたら、1分でも1秒でも早く飲みましょう

なお虚弱な方やお年よりは、身体に栄養や水分の少なく
寝汗など、汗の出口が開いた状態でうっすら汗をかいていることが多いため、麻黄湯や葛根湯を飲むと発汗によって更に体内の栄養や水分が失われ、却って悪い状態になりますから服用してはいけません
これらの方には桂枝湯(ケイシトウ)や麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)などを用います


●熱の風邪
熱の風邪は口から入ると言われ、喉の違和感・乾燥感、喉の痛み、高い熱などの症状を伴います
このため熱を冷ます処方、銀翹散(ギンギョウサン)が使われます
こちらについては以前の記事を参考にしてください

葛根湯と同様に、1分でも1秒でも早く飲むことが大事です

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葛根湯も銀翹散も、とにかく早めの服用が大事で、かつ1包で効きます
つまり1包飲んでも効かない場合は、飲むタイミングが遅かったか、処方が合っていないと考えられますので、他の処方を検討してください

寒気も喉の違和感も、両方あり、どちらを飲んだらいいかわからない場合は葛根湯と銀翹散の両方を飲んでも構いません

漢方薬は症状に合っていると甘く美味しく感じますので
美味しい方が効く、と考えてください
両方とも不味い場合はどちらも効かないので、違う処方の検討が必要でしょう

なお「冷えの風邪」「熱の風邪」というのは、あくまで発症した患者さんの病態のことなので、ウィルスAは熱の風邪、ウィルスBは冷えの風邪という分類はしません
そのため同じウィルスによる風邪でも、Cさんには葛根湯、Dさんには銀翹散、ということがあります
「寒気」か「喉の痛み」かを充分見極めて、自分に合った処方を選んでください


中国は大陸の国で、内陸部が乾燥しているため、銀翹散や天津感冒片(銀翹散に似た処方)が効く、熱の風邪が多い国で
逆に日本は周りを海に囲まれているため湿気が多く、湿気は冷えの状態を悪くするため、麻黄湯や葛根湯が効く、冷えの風邪が多い国でした

ところが最近はエアコンの普及で、部屋が乾燥するようになり、日本も熱の風邪が増え、葛根湯より銀翹散が効く風邪が増えているそうです
葛根湯、銀翹散を上手に使って、ウィルス感染による風邪症状を乗り越えて行きましょうね

それからもう一つ、銀翹散の効果は「喉」までの症状。咳が出る状態だと「気管」まで症状が進んでいるので違う処方になります

咳・喘息・肺炎に効く漢方薬

咳が出たら、銀翹散と合わせて、五虎湯なども服用するといいでしょう

以上、lalaのお薬情報でした

かぜをひいてしまったら、体温を上げてウイルスと戦おう

 

 

 

 



 

ファイザーワクチン接種後の葛根湯ですが、9割以上の方に効果があり、多くの方が翌日発熱しなかったり、1日程度の倦怠感で済んだり、と漢方薬がお役に立てて嬉しく思っています

ファイザー製ワクチン接種後にお奨めの漢方薬「葛根湯」
 


ただワクチンを接種しても新型コロナ感染はゼロにはできませんので、今回は新型コロナウィルスに感染したかも?と思った時に試してもらいたい漢方薬をお知らせします
 

どれも症状を感じたら1分でも1秒でも早く服用すること!

また味をみることが大切なので、錠剤ではなく散剤や液剤がお奨めです

甘ければ症状に合っているので効きます。苦い、酸っぱいなど不味ければ症状に合っていないので服用は止め、他の甘い処方を検討します
(散剤は少量のお湯に溶かし、スプーンで味見をして甘ければ飲む。不味ければ飲まずに捨て、袋の残りは折り曲げて数時間後にまた試す)

 

①葛根湯・・ゾクゾクっとした寒気を感じたら直ぐに服用。甘ければ一包で効く(クラシエツムラ

 

②銀翹散(ギンギョウサン)・・喉に違和感、つばを飲み込んでも潤わない乾燥感を感じたり、喉が痛くなりそうになったら直ぐに服用。甘ければ一包で効く(クラシエ

  
→ 銀翹散が苦い場合や喉が痛くなったら桔梗湯(キキョウトウ:ツムラトローチ)甘く感じる間、1日2-3回服用

 

③五虎湯(ゴコトウ)・・咳が一つでも出たら直ぐに服用。甘ければ一包で効く(クラシエ

  
→ 五虎湯が苦い場合は麦門冬湯(バクモンドウトウ)甘く感じる間、1日2-3回服用(クラシエツムラ
 

身近な人が新型コロナに感染したとか、PCR検査陽性になった、でもまだ無症状だ、とかの場合、まずは葛根湯を試してみます

甘ければ効くので1包服用し、その4-5時間後にもう1包、甘ければ服用し、その後は症状に合わせ、葛根湯、銀翹散、五虎湯などを服用します
 

 

以上の処方は一般的な風邪(ウィルス性疾患)にも効きます
またインフルエンザなどの他のワクチン接種後の症状にも服用出来ます

 

服用は一回、又は短期間なので乳幼児や妊婦でも甘ければOK!
 

銀翹散の服用は5歳以上になっていますが、5歳未満の場合、1回のみの服用で、且つ甘く感じるなら、症状に合っているので耳かき山盛り一杯程度、服用出来ます

 

(ただし妊婦の場合、苦い処方は流産、早産に繋がるので服用は禁忌!不味い漢方薬は絶対飲まないこと!)

 

とにかく甘い処方を選ぶことと、飲むタイミングが大切です!症状を感じたら直ぐに服用しないと効きません。常備するか携帯し、外出先でも症状を感じたら1分でも1秒でも早く服用しましょう

 

 

以上

 

ワクチンを接種してもウィルス感染はゼロにはできません

早めの漢方薬服用で免疫力を上げ、是非今の状況を乗り越えていきましょう

また人混みの多い所に外出したり、感染リスクの高い場所にいた場合、自宅に戻ったら手洗いと同時に葛根湯を服用して免疫力を上げましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新型コロナワクチンでは接種部位が赤く腫れ、痛みが出る場合も多いようですが、そのような症状には桂枝茯苓丸がオススメです

今のところ、ファイザーにも、モデルナにも効果が出ていて
接種後、接種部位が痛い、とか、肩が上がらないなどの症状が1-2日(1日2-3回服用)で軽減しているようです

桂枝茯苓丸は瘀血(ドロドロ血)をサラサラにする効果があり、接種部位の鬱血や痛みを改善します

 

ワクチン接種は血栓のリスクが高まるという話(アストラゼネカが顕著)を聞くので、腕の痛みの強弱に関係無く、桂枝茯苓丸を2-3日飲むことをお勧めします

 

桂枝茯苓丸は打身、捻挫、ぎっくり腰にも効き、青あざは3日で消失します

味をみて、甘い間飲み続けてください

 

ただし妊婦は服用時、味をみて、苦い、酸っぱいなど不味ければ合っていないので服用は絶対に!やめてください

 

中医学で診る「痛み」とは

 

 

 

新型コロナワクチンのうち、ファイザー製ワクチン接種後に服用した漢方薬がなかなか良いので記事にします

その処方は葛根湯
寒気の風邪に、ということで常々お奨めしている処方です

今のところ、服用した家族や知人、友人の9割以上が、接種翌日の発熱がゼロ
一部の方たちは残念ながら、葛根湯を飲んでも翌日に38℃以上の発熱が出てしまいましたが、ほとんどの方たちに効果があり、多少、接種部位の痛みは出るものの、全体的に副反応が軽く済んでいるようなので、皆様にお奨めします

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服用方法は以下のようです
 

①接種後20分以内(接種後15分の経過観察が終わり次第、なるべく早く服用!)※医師の指導により経過観察が30分の方は、経過観察中に服用すること

②1回目の服用からおよそ4時間後の食前または食間
 

1回目の「接種直後」は重要なので、なるべく早く服用してください(翌日発熱した方の多くが、接種後1時間以上経ってから服用しています)
2回目はおよそ4時間後ですが、多少早めに飲んでも問題ありません。また寒気がしたら発熱のサインなので、すぐに葛根湯を飲みましょう

味もちゃんと見てください。甘ければ症状に合っているので効きますが苦い、酸っぱいなど、不味ければ症状に合っていないので服用をやめます

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接種直後の服用(1回)だけで、翌日の副反応が出なかった人もいましたが、軽い倦怠感が発現した方もいたので、高齢者や虚弱な方は特に2回服用した方がいいと思います。葛根湯が体温を上げるのは、服用直後~20分弱と短いので、ワクチン接種後、2回ほど体温を上げることで、より確実に免疫機能を活性化できると思います
 

ファイザーやモデルナのようなmRNAワクチンの作用機序を下に示しますが、B細胞、T細胞など様々な免疫機能が関わっていて、これらの免疫機能は体温を上げることで活性化するため、ワクチン接種後に発熱すると言われています。そこで体温を一時的に上げる葛根湯がお奨めなのです
mRNAワクチンとは

かぜをひいてしまったら体温を上げてウイルスと戦おう


何度も言いますが、味をちゃんと見てくださいね。甘ければ効きます!苦かったり、不味かった場合は症状に合っていないので服用はやめてください

漢方の散剤(粉タイプ)はインスタントコーヒーのようにフリーズドライで出来ているので、少量のお湯で溶かし、スプーンで味を見て、甘ければ全部飲む。不味ければ残りは捨てる、というようにするといいです

また接種後すぐに服用する場合は、液体タイプが便利かと思います

 


若い方の中には副反応が怖くて、ワクチン接種を躊躇っている方も多いと聞きます。是非、是非、葛根湯を使って副反応を軽減し、多くの人たちがワクチン接種をしてくれるといいなと思います

※補足

葛根湯は、後背部の血流を良くし、体温を上げ、汗腺の出口を開き、発汗を促す効果があるので、寒気を感じた時(風邪の極々初期の症状)や、血流不良による軽い肩こりに早めに飲むと、すぐに症状が改善するという処方です

30年近く前の話ですが、カネボウ(現・クラシエ)漢方勉強会で見せてもらった、興味深い資料です
それは日大松戸歯科大病院の内科で、何人かの人に葛根湯を服用させたデータなのですが
服用後、2分後、5分後、10分後、20分後に体温を測ったところ、2分後にはすでに体温が上がり始め、5分後、10分後と体温は上がり続け、20分後には体温が下がって来た、という結果が出ていました

このように葛根湯は一時的に体温を上げる処方で、服用直後から15〜20分程体温を上げ免疫機能を活性化します

また発熱は、ウィルスやワクチンが熱を上げているのではなく、人間の脳(視床下部にある体温調節中枢)が免疫機能を高めるため、わざと体温を上げるよう身体に命令を出している現象なので、解熱鎮痛剤で体温を下げるより、体温を上げて脳の働きを応援する方が理にかなったやり方かと思います

ただし、発熱してから葛根湯を飲んでも意味がない(遅い)ので、脳が発熱を命令する前(遅くとも寒気を感じたら直ぐ)に体温を上げる必要があります。そのため、発熱前(ワクチン接種直後、風邪の場合は症状が出る前の潜伏期間)の服用が重要になってくるのです

ただ夏は、体温が低いケースは考えにくいことと、汗腺が開き、すでに発汗している状態のため、葛根湯の効果が充分出ず、翌日微熱や倦怠感を訴えた方が多かったように思います。その場合、葛根湯が苦いとか、酸っぱいなど不味く感じると思いますので、もし服用して不味かった場合は残念ながら効かないかもしれないとお考え下さい

以上がファイザー製ワクチン接種後にお奨めの漢方薬です

ただ残念ながら、モデルナワクチンに葛根湯は全く効果がありませんでした
私はモデルナワクチンには金属片(ステンレス)が混入していたとのことなので、ステンレスに含まれるニッケルによるアレルギーが原因で、発熱や患部の腫れが起きたため、葛根湯ではうまく効かなかったのではないかと思っていますが、この辺りは今後の検討課題にしたいと思います

また葛根湯を2回服用しても翌日高熱が出た方ですが、胃腸が弱い方という印象です。特に母娘共々発熱したというのが2組ありましたので、遺伝的要素もあるかもしれません。こういう方には違う漢方薬が良いと思うのですが、今のところはまだ見つけられていません。この点も今後の検討課題にしたいと思います

 

 

 

 

今更ですが、漢方についてのブログをこちらで始めたいと思います
まずはgooブログに掲載したものをこちらに転載しますね
アップデートしながら書きたいと思いますので良かったら読んでくださいね

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漢方、と一口に言いますが、流派があることをご存知ですか?
実は日本には、日本漢方(古方)と中医学(中国漢方)の
二種類の考え方があります

どちらも行き着く処方は似ていますが、症状から導く病気の解き方が違うと言うか、基本の概念などが微妙に違っているのです
特に「」と「」の概念が大きく違います

漢方は中国が漢の時代に日本に入ってきた理論ですが、日本漢方は長い年月を経て、日本でアレンジされた解き方で、江戸時代から受け継がれてきましたが、誰にでも診断し易いようにとチェックシートで判断する方式を取るようになりました
結果、「」は体力のある人、「」は体力の無い人というように分けられ、そのどちらにも当てはまらない場合は「中間証」に分類しています

一方中医学は「」を身体に必要なものが足りない状態、「」を身体に不必要なものが存在する状態、と言うように分けます。つまり身体に必要なものでも必要以上に有り過ぎると「」になるのです
そのため「中間証」というものは存在しません。中医学では「」でも「」でもない状態は健康なので、手を加える必要が無いからです

もう一つ、中医学では「冷えているか」「熱を持っているか」も大事な要素で、冷えていれば温める、熱を持っていれば冷やす、と言うことに重点を置きます

以上のように中医学は健康な状態をゼロと考え、(+)や(-)に傾いている状態や、(+)や(-)に傾いている状態を漢方薬を使ってゼロに戻していく、と言う考え方なのです
数学の得意な人なら、虚実をX軸、寒熱をY軸と考えればわかりやすいですね


そして日本の医学界ですが、主流は日本漢方です。これは大手漢方薬会社ツムラが日本漢方の考え方だからだと思います
でもこの日本漢方、非常にわかりにくい。何故なら、患者さんがどのような状態であるかをチェックする時、多くの患者さんは「」や「」が混在しているため、しっかり分類することが出来ず、結局多数決で、「」「」「中間証」に分類してしまうため、微妙な状態の場合、うまく病態を見極められなくなってしまうのです

一方、旧・カネボウのクラシエですが、もともとは日本漢方だったのですが、太平洋戦争の後、中国で中医学を学び、中医学を主体とした考え方になったのです
この中医学、非常にわかりやすい。何故なら中国は漢方を広めるため、きちんとした学校を設立し、誰でもわかるような理論を確立したからです
この理論の基本的概念さえ理解すれば後は簡単!余分なものは取り除き、足りないものは補えばいいしですし、冷えてるものは温め、熱を持っているものは冷やせばいいのです


私が漢方にハマったのは、この理解し易い中医学に出会ったからだと思います。漢方薬の効能に書いてある「体力のある人」や「体力のない人」の文面に『私って体力があるんだろうか?無いんだろうか?』と悩み、旧・カネボウの勉強会で先生に「の違いがわからないのですが…」と聞きに行ったところ

は必要なものが足りない状態、は要らないものがある状態」と答えてくれて、「ああ、そうか!では必要な物は何か、要らないものは何かを勉強すればいいんだハート」と目から鱗が落ちるように全てのことが理解できるようになったのです

同じような思いをしている人は多いようで、日本漢方を習っていたけれど、中医学を勉強し直している医師や薬剤師が増えているとのことです

私は「漢方薬はなかなか効かない」と思われているのは日本漢方の解き方が曖昧で、患者さんに合った処方を見つけられないからではないかと思っています

そして中医学が広まらなかったのは、旧・カネボウの経営がイマイチだったため、良いものを持っていながらツムラのように大きく成長できなかったからだと思っています
実際処方薬はツムラの方が効き目がいいと思いますからね(笑)

以上、長々と書きましたが、私の漢方の考え方は中医学に沿った理論です。それを理解した上で今後も読んでいただけたらと思います

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こちらのブログ、全然更新していません

ごめんなさい☆


そのためメッセージをいただいたようですが

何ヶ月も放置したため、消えてしまいました

何が書いてあったのか、さっぱりわからず

メッセージをくださった方に申し訳なくて、申し訳なくて・・・

本当にごめんなさいショック!



今はもうひとつのブログの方に集中していますので

申し訳ありませんが、こちらの方にメッセージをください

http://blog.goo.ne.jp/1320akko

こちらはメッセージやコメントをいただくと

PCに通知が来ますので、ちゃんと読むことが出来ます



よろしくお願いします(^-^)/

地震酔いが流行っているようですね

3月11日の東日本大震災以降、
M5以上の余震が数百回も続いているという話ですから
かすかな揺れはズ~ッと続いているんでしょうね

ただこのような揺れが続くことにより
三半規管に影響を及ぼして車酔いみたくなり
気持ちが悪くなったり、吐いたりする人もいるようです

ということで、車酔いと同じ症状なら
苓桂朮甘湯、又は五苓散をおススメします
甘ければ効きますよ
お試しくださいドキドキ

乗り物酔いに効く漢方薬

二日酔い、嘔吐、下痢に効く漢方薬