「すいませーん。降りまーす」
言えない。。
駅員にバス乗り場すら
聞けない私に言える訳がない。
『田舎の手を挙げて乗り降りする
バスちゃうんやから。
停まってくれるわけない。
あっ 信号で止まった。』
「あ〜・・まちがえた・・」
小声で言ってみた。
後ろの 声でかい、おばさんが
「間違えたんやってー降ろしたってー」と
言ってくれたりしないだろうか?
と期待して・・・
耳が遠いのか(ごめんなさい)
私の声は拾われず・・・
『どうしよう。自分で声を上げるか?
信号が青に変わる前に勇気をだすか?
私は試されてるのか?
それとも
起こることは全て完璧・・・な、はずだし
宇宙さんが用意してくれた
おもしろいプレゼントなのかも。
そうかきっと・・そうなんだ』
そう思うことにして
信号が変わり動き出したバスに
そのまま静かに乗っていました
動き出したバス・・・
ついさっきまで 2番「220」だった運賃表が
2番「280」に切り替わりました。
『プレゼントちゃうやないか〜い
おもんないんじゃー。』
口悪くてスイマセン
次のバス停で降りました。
一駅分を歩いて行こうと決め
天神神社までのナビを設定すると
1時間30分と表示されました。
『もう めちゃくちゃですな
行くなってことなのか?
ここまで来たのによ〜
落ち着け 落ち着け わたしよ。
自分で考えるんだ。
この状態で宇宙さんに聞いたところで
答えはもらえない。』
違うところと繋がる可能性大
えーと
周りを見渡すと
道路の向い側に若い男性が立っていました
『ワォーイケメン発見
言うとる場合か
あっ バス停だ
そうか反対車線からバスに
乗って一駅だけ戻ればいいやん
イエ~ィ
さすが私 天才ですな』
冷静な判断力のある人なら
普通に考えそうな事を
いいアイデアが浮かんだと喜び
自分を天才だと思った
そんなAHO〜すぎる自分が・・・好き
ひらめきを得たと思い込んでいる
最強の私には 最善の流れがやってきて
向かいのバス停にたどり着いたらすぐに
バスが来ました。
待ち時間 3分。
『凄〜い ミラクルやん』
私より 先にバス待ちしていたイケメン君は
バスには乗りませんでした。
『残念やけど 私の目的地は
イケメン発掘じゃなくて
天神神社参拝だからね~。やっと行ける~』
電光掲示板
【次は●●●】
『んん 何で●●●?
次は白土町でしょ?
もしかして ひと駅と思ってたけど
2駅ぐらい過ぎてたのかな?』
電光掲示板の横の
3駅先までの行先が
表示されているところを見ても
白土町の駅名がありません。
『何なん意味わからん
どういうこと
ここ どこ
もしかして 変な世界へと移動したん
明日 新聞に載ったりする』
トップ記事
《消えた白土町と小さなおばちゃん》
天才だったはずの 私の頭脳は破壊され
しばらくフリーズしてしまいました。
14駅先であるはずの 【奈良駅】が
早々に電光掲示板に表示されて
ようやく気付くことが出来ました
『わたし快速バスに乗ったんや・・・』