刹那之太刀 第五夜 【刹那ノ太刀】 | サイキックカウンセラー 霜月 神舟

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よろしくお願い致しますm(__)m

 この日K氏との地稽古(仕相稽古)で「刹那」の意味を知る事になりました。


刹那とは、相手の動き出す瞬間より少し手前の絶妙なタイミング。
相手と自分の動きの刹那の接点を打つ事でした。
否、それより更に深い物を知りました。

それは、お互いの命と命がぶつかり合い、お互いの振り下ろされる太刀でどちらかが絶命する瞬間。

これだったのです。

この彼我どちらかが刹那に勝ちを取り、気が付けばどちらかの生命は絶たれている「截相」という世界が日本傳剣道の真髄だとある剣道の先生から教わっていました。
私はそれを身をもって体験させられました。

(刹那之太刀)

 K氏は中段、私も中段に構え、間をジリジリと詰めて行きます。深くは入らず。
こちらは恐ろしいという気持ちから横へ逃げそうになる意識を真っすぐに正し、

お互いの人中路(人体の中心線)を合わせて其処へ集中しました。
相手が面に来る事は剣先から放たれる気の雰囲気を観て取る事ができます。


ただ、いつ来るのか?


私は意識を胸に落として、思考が働かない様に呼吸法と共に努めました。

次の瞬間。

私の身体は敵に向かって迫っていました。

「南無三!」

正に死地に飛び込む気持ちです。
目の前が真っ暗になり、一体どうなったのか全く分かりません。
ただ、自然に返された袋撓(ふくろしない)にカキン!と言う金属音と共に手の内に堅い感触が伝わってきます。

気が付くと、私とK氏はすれ違ったままの状態で静止していました。

私は振り向いてK氏に


「今どうなったの?」


思わず聞いてしまいました。
K氏は不思議そうな顔で、


「何がどうなったのか分かりません。」


と答えが返ってきました。
しかし、胴はシッカリと打っていた様です。

後で話を詳しく聞くと、


「打とうと思った時にあなたがスゥっと、とてもユックリと真っすぐに近付いて来るのが

観えました。」
「何しにきてるのだろう?」


と疑問に思ったそうです。
そしたら、急に胴に衝撃があったという事でした。
その間物凄くユックリとした時間が流れていたそうです。


方や私と言えば、「南無三!」と飛び込んでましたので時間は感じられません。
記憶にないという方が正しいのか、目の前が真っ暗になり時間が途切れた感じでありました。

これはお互い死ぬ瞬間を体験させられたのだと理解しました。


事故に遭った時など生命の危機に立たされると、とてもユックリに見えるといいますが、正に彼に起こったのはその状態なのです。
私と言えば、自ら死地に飛び込む気持ちだったのでその間の時間は切れてありません。
この体験はこれっきりでありましたが、とても貴重な体験をさせて頂いたと感動いたしました。
袋撓(ふくろしない)であろうと、真剣勝負の生死の分かれ目を体験することが出来るのだと驚きました。

この刹那の太刀、つまり胴打ちは後に新陰流の太刀群にある「和卜」「合撃」を実際に仕相で応用するのにとても重要な体験であったという事に気付きます。


前に厳長師からのメッセージで、


「端の業と思えど、工夫することが大事だ。正兵のみに拘らず端の業もやってみよ。」
「これは胴打ちのみに留まらぬものだから、だまされたと思ってやってみなさい。」


と言われたのですが、正にその通りになるのです(笑

この話をハナさんにすると、

 道場に立たれた厳長師は袋撓を持たず、すぐに道場から出ていかれ、右の方にある玄関の近くの木の実を取って、こちらに笑顔で差し出されてきたそうです。

この実を持って帰りなさい。

そう仰っている様だと話してくれました。
昼間の明るい太陽の下、木の葉から木漏れ日が・・・・。

実は実りの意。

ハナさんはそう話してくれました。
しかし、これからが本当の修行だと、ちゃんと釘を刺して頂いております(笑

この体験は私の剣の境地に一つの区切りをつけて頂きました。
非常に有り難い経験です。

この新陰流兵法第二十世 柳生厳長師範より授かった秘剣には名称がない為、

私はこの太刀を

「刹那之太刀」

と呼んでおります。


今でも自分の業がブレた時に、この太刀を少し使ってみる様にしております。
身を正すのに非常に良い太刀なのです(笑

師と先師、歴代の剣聖とハナさんに感謝の念を禁じえません。

合唱