蝉の声がひときわ大きく聞こえる 昨日今日…
梅雨明けの暑さには蝉の声がぴったり。

  そんな事を思った朝でしたが…
玄関を開けると、ドアの前に…
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蝉が仰向けに あたかも死んでしまっているがごとくひっくり返っていました。倒れていた、とは言いませんよね?

   長い幼虫時代を地下で生き延び (アブラゼミは6年、蝉の種類によっては3年から17年) 梅雨の頃に羽化します。
羽化後の成虫の性成熟には雄雌共に日数を必要とします。雄はすぐには鳴けず、小さな声から少しずつ出せるようになるようです。
また、成虫になって1〜2週間しか生きられないというのは俗説で 野外では1ヶ月ほど生きられるのではないかと言われています。
そして 雄雌が一緒になり 木の幹に産卵し、卵は翌年の梅雨の頃に孵化します。
孵化した幼虫は 雨で柔らくなった土に落下して…地中に潜り 長い幼虫時代を過ごすのです。
勿論、地中には天敵のモグラ、ケラ、ゴミムシなどがいますから その犠牲になったり、菌類に冒され死んでしまう幼虫もいます。

それでも 生き延びて地上に出てきた蝉は 本当に運のいい、生命力のある蝉なのだと思います。

  それで…
玄関の前に死んだようにひっくり返っている蝉をどこかにそっと葬ってあげようと思い 触った途端ジジジと鳴き声が聞こえ 羽が動いたのです。
そうか!その身を 人間のように寝返りをうつようには出来ないのだ…と気づき お腹を下にしてあげたら ジジ  ジジ  ジジジ と鳴きながら不器用な飛び方で その蝉は飛び立ちました。

   あの蝉が 地上にでてきて羽化してどのくらい生きたか分かりませんが 少なくとも 死んだと思われて誰かに踏まれてしまったかも知れないし、鳥に食べられてしまったかも知れないし…
そんな事を考えると とても強運な蝉だったのだと思います。少しでも長く この暑くて青い空の下、木々の緑の中を生き抜いてね…と心から祈ります…