パリでは お年寄り夫婦が腕を組み合ってゆっくり歩いていたり ベンチに肩を寄せ合ってくつろいでいる姿を良く見かけます 。歩道であったり公園であったり遊歩道であったり…仲睦まじく温かな空気がこちらにも伝わってくる…私が大好きなパリの情景のひとつです。少し距離を置いて後方を歩いていると たまにお年寄りらしい少ししわがれたような話し声が聞こえてきたりします。男性は口数が少なくゆっくりと静かに呟く感じで女性は若い女性のような速度ではないものの ご主人が聞いていようがいまいが話し続けていることが多いようです。それが夫婦になってからずっと続いてきた習慣かのようにそしてこれからも続いていく習慣かのように……                                 
   たくさんの辛苦を経験し夫婦で乗り越えて人生の黄昏の季節にさしかかった頃 ふと手をさしのべると変わらぬ人がいて…さあもう焦ることも慌てることもないのだから残された日をお互いに支え合いながらゆっくり歩いていきましょう…と そんな風に見えるのです。
{CEFE47FF-C862-4453-AD11-9E144C670639:01}
そして長いようで短い人生の黄昏の季節をささやかであっていいゆっくりと静かな時間に抱かれながら共に生きてきた人と支え合いながら歩きたいと パリのお年寄り夫婦に自分を重ねて…想ってみたりするのです。