ちょうど今頃 パリはイースター(復活祭)の季節です。春分の日の後の最初の満月の次の日曜日がキリストが復活された日と言われ その日あたりからパックのバカンスが始まり学校は2週間くらい休みになります。フランス人はバカンスというと家族で何処かへ行く事が多く 時には商店街でも休暇中の貼り紙が貼ってある店も珍しくはありません。
    お菓子屋さんはそうはいかないようです。なぜなら イースターエッグを売る時だからです。ショーウィンドウには美しい柄や絵の描かれた卵形のチョコレートが並べられ、私の好きなドラジェ(アーモンドを糖衣で包んだお菓子)も飾られます。
因みにイースターエッグとは生命の始まりを象徴するもので十字架上で亡くなられたイエス・キリストが3日目に復活されたことを ちょうど ヒヨコが卵の殻を破り出てくる様子になぞらえ 作られたお菓子のようです。このイースターエッグのチョコレートがショーウィンドウに顔を見せると 春がやってきた!と心が浮き立つのです。
    クリスチャンの友人が絵のない卵形を買ってきて子ども達と一緒に綺麗な色をした砂糖液で絵を描いたことがあります。なかなか球面に絵を描くことは難しいものですが 下手でも子どもと一緒に同じ仕事をするのは楽しい経験となりました。後にも先にもたった一回きりの体験でしたが チョコレートの甘さに親子や友人の楽しい思い出が重なり この頃になると必ずこの日を思い出すのです。