2年前の冬のことでした。パリを散歩していると偶然にシルク・ド・イベール(冬のサーカス)と記された建造物を見かけました。滞在先に戻り調べてみると歴史のあるサーカスだと判明…調べるのも決めるのも予約するのも特急並みの夫はすぐに予約…そしてパリのサーカス初体験となりました。

11区にあるその建造物は1852年に建設された20角形のサーカス会場を持ち国の史跡にも指定されているそうです。中に入ると赤い布製の壁に床も赤い絨毯…薄暗い通路の先に幅の狭い階段…お伽話に出てきそうな古めかしい内装です。会場の入り口には案内係らしい中年女性。頼みもしないのに席まで連れられて行き手を差し出されました。そういうことだったのかと1ユーロを渡しました。自分で席の場所くらいわかるのにね⁈と言うと 彼女にとっては大切な生活費の一部を担う仕事かもしれないよと夫にやんわりたしなめられました。
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この写真の右手上のほうの舞台に楽団や踊り子が 間もなく現れ バニーガールのような網タイツの長い脚の彼女達が前座的な踊りを披露します。始まってからは撮影できなかったため想像してみてください。
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このブルーの円がサーカスのメーンスタジアム?というにはこじんまりとかわいいスペースなのですが…ここにピエロが出てきて楽しいお喋りや道化が続き、ライオンや馬が出てきて芸を見せてくれます。一部と二部の間に小休憩があって空中ブランコや綱渡りと日本でもお馴染みのワクワクドキドキの演目が続くわけですが…きっと滅多にないこととは思いますが空中ブランコで失敗してしまったアクターがいました。怪我をしたわけではありませんが こんなこともあるんだ…人間だから失敗することだってあるんだよね…と観客の心もアクターの心に寄り添っていました。老若男女 小さな子ども達も楽しんでいたシルク・ド・イベール…最後の頃に真っ白なシルク
ハットに真っ白なスーツを着た鳩使いのマジシャンが鳩を会場に飛ばせて輪を作ったのですが、私には それがカラーマジックに見えました。赤い会場にブルーの円、真っ白なムッシュと真っ白い鳩がそれは鮮やかなフランス国旗を棚引かせているように見えたのです。私だけがそんな風に見えたのかもしれませんが…