Dell PowerEdge 13G R730xd Review
http://www.storagereview.com/dell_poweredge_13g_r730xd_review
Dellの13世代のR730xdについてStorageReviewで取り上げられていました。見れば見るほど高密度で圧巻です。
筐体内部も凄いですが背面も凄いです。なんと背面に2.5"ベイが2つついています・・・。
個人的な感想としてケーブリングは非常に軽視されていると思うのですが私はラックを設計する上で非常にウエイトを重く考えています。なぜならばラックに目一杯サーバを搭載すると思いの外ケーブル類でサーバの背面が塞がれてしまいエアフローが悪化するだけでなく保守対応時のメンテナンス性を著しく悪化させ、場合によっては作業対象外のケーブルを抜く等のトラブルを誘発させかねないからです。
quad etherやHBAを増設してタコ足にしたサーバを10台も並べたらとんでもないことになりそうですね・・・。
そしてフロントのドライブ類や筐体内部のCPU・メモリに熱された空気があたる部位なので故障率も気になるところです。
パワーサプライの上にありますしただでさえ温度が高そうですが、SSD製品も意外と発熱量が高いので本当に冷却しきれるのか非常に気になります。少なくともその上にあるスロット6には何も挿したくないですね。
先日R630にHuawei ES3000やIntel P3700を搭載して検証したものの、熱暴走してしまって散々な結果でしたので2U筺体のR730なら・・・と思ったのですが増設カード類には慎重になったほうが良さそうです。
という感じでハードウェア的に気になる点も多々あるのですが、本記事で一番気になったのはページ中盤に書いてあるキャッシュソフトウェアです。
LSIのCacheCadeからSanDiskのDAS Cacheに変わったようですがSanDiskってキャッシュソフトウェア出していたんですね。エンタープライズ市場で安心して使えるレベルの製品は一朝一夕では出来ないと思っているのですがSanDiskはいつ頃からこの製品を出していたのでしょうか。ちょっと調べてみたいと思います。
Nutanix and EVO:RAIL\VSAN – Data Placement
http://itbloodpressure.com/2014/09/17/nutanix-and-evorailvsan-data-placement/
VSANが発表されて嬉々として検証した方の大半はガッカリな結果になったのではないかと思っています。
私のところにもVMwareの人やSIer, VMwareの競合にあたる方々が「VSANはTier1用途は避けてください」みたいな事を言いに来ますが、仕組みを考えれば当然の事ですよね。VSANは基本的に分散ファイルシステムのアーキテクチャなのでIOPS性能を期待しても構造的な問題があるのです。VSANを検討している人や提案している人の中には「高価なストレージアプライアンスから開放される」などと夢の様な事をささやいていたりしますが、各ノードはEthernetで接続されている為に帯域的にもレイテンシ的にも性能が良くなる要因は一切ありません。
その他気になる点としてVSAN環境ではRAIDコントローラはパススルーモードを推奨している点が挙げられます。これは1つのファイルをより多くのドライブに分散して書き込むためにデバイス数が多いほうが分散させやすいという事なのでしょうが、この手のアーキテクチャの中にはファイル数が多い環境においてディスク障害(もしくはディスク障害の予兆検知)が発生するとディスクの切り離しに膨大な時間がかかってしまい、ディスク交換後もデータのコピーや再配置に膨大な時間を要すケースがあります。
大きなデータストアが必要なために大容量HDDを採用することが一概に悪いとは言えませんが、大容量HDDとオブジェクトストレージの相性についてはもう少し認知されるべきだと思っています。
そういった様々な課題がNutanixなら・・・・というわけではありません。
日本語のサイトもありますので是非NutanixのWebサイトを見て頂きたいのですが「GoogleやAmazon, Facebookと同じ設計思想だから良い製品だ!」などと謳っています。
前提条件として彼らの運用形態は非常に大雑把な部分があり、原則として「サービスが止まらなければ多少の不具合は止むを得ない」というポリシーの元に運用しています。もちろん、「検索ができなくなった」「商品が検索できなくなった」「購入手続きに進めなくなった」「投稿した内容が消えている」といった不具合に対しては非常にシビアに考えているのでしょうが、たとえば「ディスクが1本壊れた」とか「サーバが1台落ちた」ような障害であればアプリケーションやロードバランサ側で切り替わってしまうので彼らとしては即対応が必要な事象ではなく、(おそらく)数日に1回など一定の間隔で修理すれば良いという感覚です。
このように目的とする効果(性能・運用性)を得る為に不要なもの(保守)を極限まで譲歩させた結果が今の彼らのシステム構成や運用形態なので、これが日本市場の一般的な顧客にフィットするわけがありません。
しかも彼らが好むアーキテクチャの大半はサーバの台数が数千台以上ある事によってメリットが出るような世界なのです。Hadoopだって3台とか10台ではロクな仕事ができないように分散処理系のアーキテクチャの大半は数千台以上必要ですし最低でも数百台が隣接するラックに搭載されている事が前提となるでしょう。そういった「適材適所」を無視して「大規模Webサービスを提供している企業と同じ技術だから(ry」などの売り文句を吐く事は顧客軽視以外の何物でもないでしょう。
忘れてはいけないのはNutanixはアプライアンス製品である点です。
アプライアンス製品ゆえに価格は高く保守費用も高いです。これは成熟したハードウェアと安定したOS・ソフトウェア、有事の際にも安心した保守サポートが受けられる為なので一種の「保険」のようなものでもあるのですが、Nutanixのようなスタートアップでは成熟した製品も頼れる保守サポートも無く、何かあっても代理店に頭を下げられるだけですので人柱になる気概がなければ手を出すべき製品ではありません。
そして何よりアプライアンス製品ですのでハードウェアの世代交代があるもののそのペースは決して早くありません。仮に最新のハードウェアを追従するようになったとしたらQAプロセスがぞんざいになっている証拠なのでより一層Nutanixから離れるべきです。
いずれにせよいつまでも古いハードウェアと付き合わなくてはならず、新モデルが出た際に「旧モデルとの混在環境はサポートされません」とか「旧モデルとの混在は1世代前まで」とか言われたり「旧モデルと混在させた場合の性能は保証しません」とか言われるのではないかとgkbrしてしまいます。
Nutanixは管理や増設の容易さも強調しているようですが、今どき管理が煩雑なストレージ製品があるのでしょうか?管理者が技術的な要件を満たしている前提で考えるならサイジングや機種選定などの方針を適切に固めていれば管理が煩雑になる事も殆ど無いと思っています。
増設については設計やサイジングの手腕が問われるところですが、日本国内において頻繁にストレージの増設が発生するような環境に身を置く人はNutanixみたいな製品がリリースされることを待つこと無く独自の運用方針に則りデータの膨張を受け止めています。
この部分はマーケティング的な観点からもNutanixがどの客層を攻めたいのか理解しかねる要素であり、Nutanixの今後を占うためには十分な情報ではないかと思っています。
これらの要素を一切気にしなかったとしても、「増設が楽だし増設時のトラブルを抑制出来そうなので○○○○万円使わせて下さい(ただし翌年から○○○万円の保守費用ががが)」という稟議が回ってきても承認する人は居ないと思います。
というわけで魔法の箱なんてあるわけがありません。
専門のエンジニアも少なく一般的にDBAやネットワークエンジニアが片手間で管理する事が多いストレージ装置なので軽視されがちですが、臭いものにフタをする(面倒なものを見えづらくする)的ソリューションは根本的解決になるどころかあなたの仕事を炎上させる要素になるでしょう。
どんな使い方にも適応する仕組みなんてありませんので、もし使う場合はできる事とできない事をしっかり検証した上で適材適所に当てはめていきたいものです。
http://itbloodpressure.com/2014/09/17/nutanix-and-evorailvsan-data-placement/
VSANが発表されて嬉々として検証した方の大半はガッカリな結果になったのではないかと思っています。
私のところにもVMwareの人やSIer, VMwareの競合にあたる方々が「VSANはTier1用途は避けてください」みたいな事を言いに来ますが、仕組みを考えれば当然の事ですよね。VSANは基本的に分散ファイルシステムのアーキテクチャなのでIOPS性能を期待しても構造的な問題があるのです。VSANを検討している人や提案している人の中には「高価なストレージアプライアンスから開放される」などと夢の様な事をささやいていたりしますが、各ノードはEthernetで接続されている為に帯域的にもレイテンシ的にも性能が良くなる要因は一切ありません。
その他気になる点としてVSAN環境ではRAIDコントローラはパススルーモードを推奨している点が挙げられます。これは1つのファイルをより多くのドライブに分散して書き込むためにデバイス数が多いほうが分散させやすいという事なのでしょうが、この手のアーキテクチャの中にはファイル数が多い環境においてディスク障害(もしくはディスク障害の予兆検知)が発生するとディスクの切り離しに膨大な時間がかかってしまい、ディスク交換後もデータのコピーや再配置に膨大な時間を要すケースがあります。
大きなデータストアが必要なために大容量HDDを採用することが一概に悪いとは言えませんが、大容量HDDとオブジェクトストレージの相性についてはもう少し認知されるべきだと思っています。
そういった様々な課題がNutanixなら・・・・というわけではありません。
日本語のサイトもありますので是非NutanixのWebサイトを見て頂きたいのですが「GoogleやAmazon, Facebookと同じ設計思想だから良い製品だ!」などと謳っています。
前提条件として彼らの運用形態は非常に大雑把な部分があり、原則として「サービスが止まらなければ多少の不具合は止むを得ない」というポリシーの元に運用しています。もちろん、「検索ができなくなった」「商品が検索できなくなった」「購入手続きに進めなくなった」「投稿した内容が消えている」といった不具合に対しては非常にシビアに考えているのでしょうが、たとえば「ディスクが1本壊れた」とか「サーバが1台落ちた」ような障害であればアプリケーションやロードバランサ側で切り替わってしまうので彼らとしては即対応が必要な事象ではなく、(おそらく)数日に1回など一定の間隔で修理すれば良いという感覚です。
このように目的とする効果(性能・運用性)を得る為に不要なもの(保守)を極限まで譲歩させた結果が今の彼らのシステム構成や運用形態なので、これが日本市場の一般的な顧客にフィットするわけがありません。
しかも彼らが好むアーキテクチャの大半はサーバの台数が数千台以上ある事によってメリットが出るような世界なのです。Hadoopだって3台とか10台ではロクな仕事ができないように分散処理系のアーキテクチャの大半は数千台以上必要ですし最低でも数百台が隣接するラックに搭載されている事が前提となるでしょう。そういった「適材適所」を無視して「大規模Webサービスを提供している企業と同じ技術だから(ry」などの売り文句を吐く事は顧客軽視以外の何物でもないでしょう。
忘れてはいけないのはNutanixはアプライアンス製品である点です。
アプライアンス製品ゆえに価格は高く保守費用も高いです。これは成熟したハードウェアと安定したOS・ソフトウェア、有事の際にも安心した保守サポートが受けられる為なので一種の「保険」のようなものでもあるのですが、Nutanixのようなスタートアップでは成熟した製品も頼れる保守サポートも無く、何かあっても代理店に頭を下げられるだけですので人柱になる気概がなければ手を出すべき製品ではありません。
そして何よりアプライアンス製品ですのでハードウェアの世代交代があるもののそのペースは決して早くありません。仮に最新のハードウェアを追従するようになったとしたらQAプロセスがぞんざいになっている証拠なのでより一層Nutanixから離れるべきです。
いずれにせよいつまでも古いハードウェアと付き合わなくてはならず、新モデルが出た際に「旧モデルとの混在環境はサポートされません」とか「旧モデルとの混在は1世代前まで」とか言われたり「旧モデルと混在させた場合の性能は保証しません」とか言われるのではないかとgkbrしてしまいます。
Nutanixは管理や増設の容易さも強調しているようですが、今どき管理が煩雑なストレージ製品があるのでしょうか?管理者が技術的な要件を満たしている前提で考えるならサイジングや機種選定などの方針を適切に固めていれば管理が煩雑になる事も殆ど無いと思っています。
増設については設計やサイジングの手腕が問われるところですが、日本国内において頻繁にストレージの増設が発生するような環境に身を置く人はNutanixみたいな製品がリリースされることを待つこと無く独自の運用方針に則りデータの膨張を受け止めています。
この部分はマーケティング的な観点からもNutanixがどの客層を攻めたいのか理解しかねる要素であり、Nutanixの今後を占うためには十分な情報ではないかと思っています。
これらの要素を一切気にしなかったとしても、「増設が楽だし増設時のトラブルを抑制出来そうなので○○○○万円使わせて下さい(ただし翌年から○○○万円の保守費用ががが)」という稟議が回ってきても承認する人は居ないと思います。
というわけで魔法の箱なんてあるわけがありません。
専門のエンジニアも少なく一般的にDBAやネットワークエンジニアが片手間で管理する事が多いストレージ装置なので軽視されがちですが、臭いものにフタをする(面倒なものを見えづらくする)的ソリューションは根本的解決になるどころかあなたの仕事を炎上させる要素になるでしょう。
どんな使い方にも適応する仕組みなんてありませんので、もし使う場合はできる事とできない事をしっかり検証した上で適材適所に当てはめていきたいものです。
いまさらですがブログを始めることにしてみました。
私はなんらかの形でITに関係している人間なのですが、様々なしがらみに関係なく投稿をしたくて本ブログを立ち上げました。ブログのタイトルは適切なものが思いつかなかったので暫定対応しています。良案が出たら変えます。
ブログの中において私自身に纏わる部分にはフェイクを入れますが、技術関連の情報やデータはより正確な情報を心がけ、投稿の際は様々な視点から書いていきたいと思います。
一応お約束なので書いておきますが、本ブログにて私が投稿する内容は私個人の発言であり、所属する組織とは一切関係がありません。
私はなんらかの形でITに関係している人間なのですが、様々なしがらみに関係なく投稿をしたくて本ブログを立ち上げました。ブログのタイトルは適切なものが思いつかなかったので暫定対応しています。良案が出たら変えます。
ブログの中において私自身に纏わる部分にはフェイクを入れますが、技術関連の情報やデータはより正確な情報を心がけ、投稿の際は様々な視点から書いていきたいと思います。
一応お約束なので書いておきますが、本ブログにて私が投稿する内容は私個人の発言であり、所属する組織とは一切関係がありません。
